東日本大震災から9年1か月

By 大脇 桂

4月11日、東日本大震災が発生してから9年1か月

◆人的被害・避難者数

・2011年3月11日、国内最大規模となるM9.0の地震が発生し、大津波により東北地方の太平洋沿岸に大きな被害をもたらした。警察庁によると、2020年3月10日現在、死者1万5899人、行方不明者2529人、死者不明を合わせて1万8428人(前回2019年12月10日現在、死者1万5899人、行方不明者2529人)。

・復興庁によると、2019年9月30日現在、震災関連死は1都9県で3739人(前回2019年3月31日3723人)。震災関連死・直接死・行方不明者と合わせると合計2万2167人。都道府県別では、岩手県469人、宮城県928人、山形県2人、福島県2286人、茨城県42人、埼玉県1人、千葉県4人、東京都1人、神奈川県3人、長野県3人。年代別では、20歳以下8人、21歳以上65歳以下418人、66歳以上3313人だった。

・復興庁によると、2020年3月11日現在、避難者数は4万6678人。県外避難は3万5599人(福島県3万730人、宮城県3908人、岩手県961人)。

◆裁判・訴訟・賠償

・3月10日、原発事故で北海道に避難した約250人が国と東京電力に損害賠償を求めた裁判で、札幌地裁は、国と東京電力に約5290万円の支払いを命じる判決を出した。

・3月12日、震災の津波で犠牲になった宮城県名取市閖上地区の家族4人の遺族が名取市に損害賠償を求めた裁判で、市が防災対策に務めることなどを条件に和解した。裁判では防災行政無線が故障していたことなどが原因などとして争われていた。市は対応を検証した第三者委員会の報告書の展示などを行っていく。

・3月12日、原発事故で避難指示を受けた住民216人が東京電力に損害賠償を求めた裁判の控訴審で、仙台高裁は、東京電力に一審の賠償額を変更し、1億5千万増額する判決を出した。

・3月17日、福島県南相馬市小高区の住民ら約300人が東京電力に損害賠償を求めた裁判の控訴審で、東京高裁は、東京電力に一審の300万円より少ない、1人あたり100万円の支払いを命じる判決を出した。一審では双方が控訴していた。

◆事件・事故・不祥事

・3月23日、環境省は中間貯蔵施設環境安全委員会で、原発事故に伴う除染土壌の中間貯蔵施設への輸送で定められたルートを逸脱した事例が半年間で50件起きていることを明らかにした。高速道路のICの間違えや曲がるべき交差点を通過していたという。

◆復興

・3月14日、福島県内のJR常磐線富岡〜浪江駅間の運転が再開し、震災以来、9年ぶりに全線での運転を再開した。震災による鉄道の運転見合わせはすべて解消した。

◆風評被害・除染土の再生利用・トリチウム水・食品

・3月28日、環境省は、原発事故の除染で出た除染土を公共工事などで再生利用する方針について、パブリックコメントを行った結果、「説明が不十分」などの意見が集まり、省令の改正を見送ることを明らかにした。

・4月6日、国は、放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方法について、福島県の関係者の意見を聞く会を開いた。参加者からは慎重な意見が多く出された。

◆その他

・3月9日、森法務大臣は参院予算委員会で、「震災で検察官が最初に逃げた。容疑者を理由なく釈放した」と発言し、11日に撤回した。

・3月13日、震災の津波で宮城県から流されたとみられる漁業用コンテナが沖縄県与那国島の海岸で見つかった。

◆東日本大震災から9年
https://this.kiji.is/610125796997710945

◆警察庁|警察措置と被害状況[2020年3月10日]
http://www.npa.go.jp/news/other/earthquake2011/index.html

◆復興庁|震災関連死の死者数等について(令和元年9月30日現在)[令和元年12月27日公表]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20140526131634.html

◆復興庁|全国の避難者等の数(所在都道府県別・所在施設別の数)[令和2年3月31日]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-1/hinanshasuu.html

◆広島大学|地球資源論研究室|東日本大震災-被災地-
http://earthresources.sakura.ne.jp/er/EV_TKJ(4).html

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