新型コロナ 離島の重症患者、搬送手順確認 行政や消防 海上保安部・巡視船「でじま」で

搬入手順を確認する関係者=長崎市、でじま船上

 新型コロナウイルスに感染した離島の重症患者を本土へ搬送する事態に備え、行政や医療関係者らが10日、長崎市西琴平町の岸壁に停泊した長崎海上保安部の巡視船「でじま」内で搬送の手順を確認した。
 県は海上自衛隊のヘリのほか、海上保安庁の巡視船、巡視艇での搬送を想定。3日に壱岐市で感染が確認された女性患者は海自ヘリで本土へ送った。悪天候でヘリを飛ばすことができなかったり、多数の患者を搬送する必要があったりする場合、県は海保への搬送要請を検討している。
 10日は行政や消防、海保、医療関係者ら計約30人が参加し、船内の医務室を視察したほか、通路の幅や船室の広さを測って患者の搬入経路を確認。クレーンやタラップを使い、搬入、搬出も試した。
 長崎大学病院地域医療支援センターの高山隼人副センター長は「一度に複数の患者を搬送できる船の有効性が確認できた。船内では患者と船員が使うエリアをしっかり区分けしなければならない」と語った。

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