五島のグルメ取り寄せ応援 オンラインで“乾杯” コロナ自粛も仲間と交流 「関係人口」拡大目指す

東京や五島市にとどまったままオンラインで再会し、五島産の焼酎などで乾杯する参加者

 オンラインで五島とつながろう-。昨年以降に五島市でリモートワークに取り組んだ都市部のビジネスパーソンや市民らが9日夜、ビデオ電話ソフトを使って交流会を開催した。新型コロナウイルスの影響で地域間の移動が制限される中、参加者は五島の産業を応援しようと、各自で五島産の酒や食材を取り寄せて“乾杯”。いずれ島で再会する日を楽しみに、今後も定期的に会を設ける予定だ。
 発起人は、東京都内のコンサルティング会社に勤める山形方人さん(35)=千葉県在住=。昨年5月、会社を離れて島で生活しながら仕事をするリモートワーク実験事業に、1週間参加した。事業後も、他の参加者と都内で集まり、交流してきた。
 今回は五島の1次産業や飲食業などの応援も兼ね、オンライン版の会を企画。山形さんは「五島に行きたくても行けない状況だが、それぞれが持つマーケティングやPRなどの能力を生かし、この会から五島のための新事業が生まれる可能性もある」と期待する。
 オンライン交流会には、首都圏や五島市内の会社員や経営者、同市職員など延べ20~30人が参加。五島産の焼酎を飲んだり、取り寄せた島の野菜で作った料理を見せたりしながら、近況を報告し合った。
 このように都市部に暮らしながら継続的に地域と関わる人たちは「関係人口」と呼ばれ、同市でも拡大を目指す。市地域協働課の庄司透課長は「リモートワーク事業などのつながりが続き、心配や応援をしてもらっている。困ったときには相談しつつ、再び島に来てもらいたい」と話した。

 


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