Off time Vol.21 成功者の横顔 会社または商店など、トップで 活躍する人のオフタイムはどんな顔を 持っているのでしょう。オフタイムから 垣間見るトップの顔をご紹介します。

今月の人

株式会社プライウッド・オウミ
代表取締役社長 太田 宗男さん

近江八幡出身。41歳。高校卒業後カナダへ留学。4年間の勉強を終え日本に帰国後、福井県の同業会社に就職。平成13年に家業の専務取締役として経営の一端を担う。平成24年に社長就任。同社は父で現会長の太田貢氏が能登川で創業。平成7年に株式会社を設立。木材、新建材、住宅設備機器の販売やプレカット、外壁工事、内装工事。また、無垢板、オーダー家具の販売を事業内容として展開している。従業員数は30歳代を中心に14名。前回紹介した前出産業株式会社開発の蓄熱の薪ストーブの薪を提供。琵琶湖材取り扱い店として木材需要の地産地消も提唱し事業の一端に取り入れている。

ONもOFFも常に木に、自然に触れ、その実践と経験を

ストレートに若い社員に伝える

永源寺から琵琶湖に流れる愛知川沿いに「株式会社プライウッド・オウミ」はあります。広い敷地内に入ると「木つつ木工房」と木版に墨で書いた趣のある書体が目につきます。奥には様々な種類の大きな材木が整然と並べられ、街中では目にしない大きな材木を見ていると、なぜか気持ちが大きくなるような、開放感を感じさせる仕事場です。そんな仕事場環境を作っている方が、太田宗男さん。「基本的にアウトドア派なんですね」と語る若手社長です。

冬のスポーツのメッカでもあるカナダのバンクーバーでの留学がスノーボードを本格的に始めるきっかけに。

趣味のスノーボードはカナダ留学の時に本格的に始め、今でも、仕事のON、OFFの切り替えにうまく趣味を活用。月1回は木曽の開田高原マイアスキー場や福井県のスキージャム勝山に行くと話します。「車で行くのですが、徐々に雪景色になっていく風景はタイムマシーンのように現実から夢の世界へ導かれるようで、まさに無になれる時間ですね」。

太田さんのもう一つの趣味が水泳。スポーツクラブに週1回は通い、マスターズで競技者として参加。試合に出るという目標を持つ事で続けられると話す。

 

年1回の展示会では子どもたちが木に触れるイベントも企画。

そんな開放的な太田さんですが、業界全体の停滞感は否めず、会社内における閉塞感が蔓延しつつある中、社長就任時は「自分自身が変わらなければ、会社が変わらない!」。それには社員の満足度をアップさせること。販売員が売る喜びを感じないとお客さんを満足させることはできないということで、社内のソフト部門に力をいれて木の試作商品を作ったり、社外セミナーに社員を参加させ、社内での共有化を図る等、積極的に社内の雰囲気を変えて行きます。また、力を入れたのがエンドユーザに対して直接説明できる場所として敷地内に隣接している『木つつ木工房』でした。様々な無垢材が並ぶギャラリーで生活空間の場を提供し、見学される方に五感で感じてもらいたいとの思いで造られた工房です。

 

オーダー家具を販売している「木つつ木工房」の工房内は様々な無垢材が並ぶ。

「木を使う事で多くの人が潤うんです」。太田さんのオフタイムのスノーボードも、その始まりは木で作られたスポーツ用品です。太田さんの誇りはそんな癒される木が常に側にあること。中小企業同友会では木の種類を当てるクイズを入れながらの講演を行い「社員が、誇りを持って働いてもらえる会社にしたい」と話す太田さん。木の素材を熟知し、ONもOFFも常に木に、自然に触れているからこそ、その実践と経験が若い社員にはストレートに伝わるのではないでしょうか。

株式会社プライウッド・オウミ

東近江市建部下野町16番地

TEL:0748-20-1951

FAX:0748-20-1953

http://plywood-omi.com/

■情報誌「自悠時間」掲載2014年3月

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