受動喫煙防止で全面禁煙「客足減る懸念も」 改正健康増進法で店舗割れる反応

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改正健康増進法の全面施行に合わせ、全席禁煙にしたことを紹介する焼き肉「天壇」店舗内の掲示(京都市東山区)

 受動喫煙の防止を目的とした改正健康増進法が1日に全面施行された。飲食店やパチンコ店をはじめ、屋内施設の喫煙は一定の場所を除いて禁止され、専用室を設ける必要がある。全面禁煙に踏み切る店舗がある一方、客足への影響や投資負担に悩む店舗も多い。制度の周知も十分とは言い難い面もある。

 「たばこを吸わないお客さまからの反応が良くなった。分煙していた頃よりストレスが減っているように感じる」
 焼き肉店「天壇」を運営する晃商(京都市東山区)の広報担当者は、そう語る。
 天壇では改正法の全面施行に先立ち、店舗を2月から全面禁煙にしたり、分煙の座席でも喫煙者は専用ルームで吸ってもらったりするように対応を変更した。
 一方、京都市などで複数店を展開するパチンコ店は、今月から遊技台での喫煙を禁じ、店内や屋外に設けた喫煙室に移動してもらうよう運用を変更。ある店の40代男性副店長は「お客さまの大半は遊技しながらたばこを吸うので、デメリットが大きい」と言う。3月中旬から店内にポスターを張って周知しているが、「席でたばこを取り出そうとするお客さまにはその都度、説明している。客足が減る懸念はある」とこぼす。
 改正法では「経過措置」も設けられた。小規模な飲食店は、行政に届け出れば、当面の間、屋内喫煙を継続できる。市が全面施行後の対応について市内の飲食店に2年前に実施したアンケートによると、回答した約1万1800店のうち67.1%が「全面禁煙」に移行し、28.5%は経過措置の適用を求める考えを示していた。
 だが、市への届け出数は3月31日時点で1327件。健康長寿企画課は「3月には駆け込みの届け出が増えたが想定より少ない」といい、店舗訪問でPRを強化する方針だ。
 分煙に関する相談対応を強化する日本たばこ産業(JT)は、京滋などを管轄する北関西支社(大阪市)などで社員訪問による「分煙コンサルティング」を実施している。「受動喫煙を防ぐためにも、分煙や禁煙は重要だ」(リレーション推進部)といい、今後も取り組みを進めていく方針だ。

≪改正健康増進法≫

 今夏開催予定だった東京五輪・パラリンピックを見据え、2018年成立。学校や病院、行政機関、児童福祉施設などは19年7月から「敷地内禁煙」、事務所や会社、飲食店、鉄道などは20年4月から「原則屋内禁煙」になる。喫煙を目的とするバーやスナックなどは対象外で、施設内で喫煙できる。