（株）クルミ清算（旧：（株）千興ファーム）（TSR企業コード:910170363、法人番号:4330001011034、上益城郡御船町高木字油野２５３０、設立１９８７（昭和６２）年８月、資本金８０００万円、代表清算人：菅浩光氏）は３月２４日、熊本地裁より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は約２２億円。
千興ファーム（協業組）として設立し２００４年４月、（株）千興ファームに商号変更した馬肉専門の食肉解体処理業者。馬肉生産では国内有数の規模を持つ菅乃屋グループの中核企業として長年にわたり事業を展開し、（株）菅乃屋ミート（TSR企業コード:910146896、法人番号:5330001005704、熊本市東区）、（有）駒城（TSR企業コード:910318018、法人番号:1330002019681、上益城郡御船町）のグループ３社で馬肉の肥育・加工・販売の一貫体制を築いていた。
熊本県特産「馬肉（馬刺し）」の取り扱いでは全国トップシェアで、菅乃屋グループで扱う馬刺しは「鮮馬刺し」のブランド名で全国に流通し、２０１９年７月期の売上高は４０億３８３６万円を計上していた。
一方、過去に３度にわたって馬肉専門の食肉加工施設の投資費用として、熊本県の高度化資金を利用し、２６億９４００万円を調達したが２０１１年に起きたユッケ食中毒事件などのあおりを受けて売上高が減少。さらに、２０１６年４月に発生した熊本地震で畜舎や加工工場が大規模損壊し、同年１２月まで自社工場でのと畜・解体ができなくなった。さらに、カナダ産生体馬の減産で品不足が生じ、フランス産の仕入ルートを開拓して品不足の解消に努めたが、肥育用の輸入馬仕入価格が高騰したことなどから、採算が悪化し債務超過に陥っていた。
こうしたなか、２０１９年に地域経済活性化支援機構に支援を要請し、熊本の馬肉文化保護などの観点から、同機構は再建の支援に乗り出し再建案を策定。熊本県の高度化資金および金融機関が借入金の債権放棄に応じ、残った債権については県内の金融機関などが設立した「熊本地震事業再生支援ファンド」が買い取るスキームを実施。
２０１９年１２月１日には、新たに設立した（株）千興ファーム（TSR企業コード:132245825、法人番号:2330001026744、上益城郡御船町）に生体馬と畜解体処理業務など馬肉加工販売に関わるすべての事業を譲渡。当社は現商号に変更するとともに、２０２０年２月２０日、株主総会決議により解散していた。
