【新型コロナ】中等症向け仮設医療施設 県が藤沢にプレハブ180床、5月稼働へ

湘南ヘルスイノベーションパーク(奥)=藤沢市

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、神奈川県の黒岩祐治知事は13日、酸素吸入などが必要な中等症の患者を受け入れる仮設の医療施設を新たに整備する考えを明らかにした。湘南ヘルスイノベーションパーク(藤沢市)内のグラウンドにプレハブを建設し、180床を確保する予定。医療崩壊を防ぐ体制「神奈川モデル」の一環で、仮設施設整備は現時点で全国初。来週にも建設を始め、5月上旬の稼働を目指す。

 県によると、同パークは武田薬品工業が管理。仮設施設はプレハブ平屋建てで、1万2千平方メートルのグラウンドに県が設置する。運営は近隣に湘南鎌倉総合病院(鎌倉市)を所有する医療法人沖縄徳洲会が担う。通常の感染症病床と同様の対応を想定し、広さやスタッフの人数などは調整中という。

 施設は神奈川モデルの「重点医療機関」に位置付ける。完成すれば、すでに指定されている県立循環器呼吸器病センター(横浜市金沢区)など3病院の約130床と合わせ、中等症患者の病床は約310床確保できるとしている。

 県庁で開いた臨時会見で知事は「県内の患者数は増える傾向で、今後急激な増加もあり得る。そうなってから入院先をつくるのは簡単ではない」と説明。費用に関しては「補正予算を出そうと思っている。(金額は)発表できる状態でない」と述べるにとどめた。委託先を同法人としたことには「切羽詰まっている。緊急随意契約による委託とならざるを得ない」とした。

 一方、知事は感染の有無を調べるPCR検査の集団実施について、「地域の医師会がやっていこうとなれば、県も支援する」と述べた。同日午前のテレビ番組では「医師会と相談しながら、集団的に検査できる場所をつくっていこうと検討している」と発言していた。

© 株式会社神奈川新聞社