<レスリング>【記録】ソ連~EUN~ロシアが圧倒的な強さ、最近はアジアも奮戦…オリンピック・国別通算メダル獲得数(男子グレコローマン)

2012年ロンドン大会・2016年リオデジャネイロ大会を連覇したロマン・ブラソフ(ロシア)

 1896年の近代オリンピック第1回大会から実施されたレスリングの男子グレコローマン。金メダルの数では、戦後から参加したソ連が圧倒的に多く、34個を獲得。EUN(1992年大会に出場したソ連からバルト3国が抜けたチーム)、ロシアと続く流れをひとつと考えると、49個となって他を寄せつけない強さだ。

 金メダル数2位のスウェーデン(20個)、3位のフィンランド(19個)は、主に戦前の獲得。戦後に限れば、スウェーデンは7個、フィンランドは5個となっている。

 ソ連が15の共和国に分かれた1996年アトランタ大会以降に限ると、ロシアが金メダル12個でトップ。キューバ(6個)、韓国(4個)、イラン(3個)と続き、アジア2ヶ国がロシアを除く欧州を差し置いて上位に入っている。

 日本は、1984年の宮原厚次(52kg級)以来、金メダルはないが、2012年ロンドン大会で銅メダル(松本隆太郎)、2016年リオデジャネイロ大会で銀メダル(太田忍)を獲得。リオデジャネイロでは、韓国とイランは3位が最高で、中央アジアを含めてもアジアの“最高位”。これからが勝負か-。

 男子グレコローマンの国別メダル獲得数は、下記の通り。金メダルと銀メダルの合計が違うのは、1912年の82.5kg級の決勝が、11時間40分の闘いの末(9時間との説もあり、はっきりしない)、両選手とも戦闘不能となって決着がつかず、両者銀メダルとなったため。

世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は現在、ドーピング検査での検体を10年間保存し、最新技術で分析して過去の違反者を摘発しています。2016年リオデジャネイロ大会後でも、2008年北京大会金メダリストのメダル剥奪が正式に決まり、同級の順位が変動しています。下記は2020年3月現在の記録で、今後のドーピング違反摘発によっては、数字が変わります。


オリンピック・国別通算メダル獲得数(男子グレコローマン)

※2020年3月現在

No. 国  名

1 ソ  連 34 16 10 60

2 スウェーデン 20 17 21 58

3 フィンランド 19 21 19 59

4 ハンガリー 16 12 12 40

5 ロシア 12 6 7 25

6 トルコ 11 6 7 24

7 ブルガリア 9 14 9 32

8 キューバ 7 5 2 14

9 韓  国 7 2 7 16

10 ルーマニア 6 8 13 27

11 イタリア 6 4 9 19

12 ポーランド 5 8 7 20

13 日  本 4 6 3 13

14 ドイツ(旧) 3 7 4 14

15 米  国 3 6 6 15

16 ユーゴスラビア 3 5 4 12

17 ギリシャ 3 3 5 11

18 EUN 3 3 3 9

19 イラン 3 1 3 7

20 エストニア(旧) 3   4 7

21 エジプト 2 3 2 7

22 フランス 2 2 5 9

23 アルメニア 2 2 3 7

24 ノルウェー 2 1 2 5

25 チェコ 1 6 4 11

26 デンマーク 1 4 7 12

27 ドイツ(新) 1 3 2 6

28 ジョージア 1 2 4 7

29 アゼルバイジャン 1 2 3 6

30 東ドイツ 1 2 2 5

〃 カザフスタン 1 2 2 5

〃 ウクライナ 1 2 2 5

33 オーストリア 1 2 1 4

34 ウズベキスタン 1   1 2

35 セルビア 1     1

36 西ドイツ   6 3 9

37 ベラルーシ   2 5 7

38 中  国   1 4 5

39 レバノン   1 2 3

40 キルギス   1 1 2

〃 リトアニア   1 1 2

42 エストニア   1   1

〃 ラトビア   1   1

〃 メキシコ   1   1

45 ベルギー     1 1

〃 チェコ     1 1

〃 モルドバ     1 1

〃 北朝鮮     1 1

〃 スイス     1 1

合    計 196 198 216 610

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