「四面宮ものがたり」知って 長崎県神社庁がパンフレット作製

温泉神社のルーツなど紹介

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県神社庁が作製したパンフレット

 約1300年前、文武天皇が九州の守り神をまつる神社として雲仙に建立するよう命じたとされる四面宮(しめんぐう)。その歴史などを紹介し、島原半島や長崎県諫早市の地域活性化などにつなげようと、県神社庁(長崎市上西山町)がパンフレット「四面宮ものがたり 雲仙から始まる九州のひみつ」(B5判、カラー16ページ)を作製した。担当者は「(各地の)神社のルーツを知り、郷土愛を育むことにつながれば」と話す。

 パンフレットは、行基が701(大宝元)年に開山したとされる雲仙は霊山としてあがめられ、比叡山や高野山と並んで「天下の三山」と称されたことを紹介。文武天皇が四面宮を雲仙に造営するよう行基に命じ、九州総守護の神社として、また地元の氏神として、人々から「お四面さん」と呼ばれるようになったことなどを伝えている。
 四面宮はその後、島原半島を中心に、諫早市や佐賀県にも次々と建立。明治に入り、神仏分離令で各地の四面宮も「温泉神社」や地名を冠した「諫早神社」などに名前を変更し、現在に至っている。パンフレットでは、四面宮誕生にまつわるエピソードのほか、伝説などを記載。「雲仙温泉神社」など、四面宮に起源がある島原半島と諫早市の計25社を地図と写真で分かりやすく紹介している。
 宮司ら計46人で組織した「四面宮ものがたり事業委員会」が企画し、計画から約2年で完成。3万部作製し、25社のうち、神職が常駐している神社などで入手できる。PR用の特製のぼりも作った。
 同委員会によると、現在、特に島原半島では過疎化などに伴い、参拝者の減少や宮司の後継者不足などの課題に直面している。今後、観光協会などとの連携を視野に入れており、担当者は「御朱印ツアーや島原半島の観光名所を絡めた神社巡りツアーを形にできれば。目指すところは一つのブーム化。神社へ来る人を増やし、地域振興や交流人口の増加を図る上で、パンフレットを最初の一手にしたい」としている。