【新型コロナ】マスク不足受け、自治会が手作りキット配布へ 中止になったイベントの予算を活用 

相模原市中央区上溝の田中自治会が配布するマスクキット

 新型コロナウイルスの感染が拡大する一方、マスク不足が解消されない中、相模原市内の自治会が18日から、手作り用のマスクキットを加入する世帯に50セットずつ配布する。中止になった自治会主催のイベントのための予算約100万円を活用。地元のウレタン加工会社とも連携し、市販のマスクと同じウレタン素材を購入した。

 キット計約3万セットを配るのは、同市中央区上溝の田中自治会(約600世帯)。キットには、ウレタン(縦15センチ、横40センチ、厚さ2ミリ)と型紙が入っている。ウレタンをはさみで切り抜き、鼻と顎の2カ所を接着剤、針、糸、テープのいずれかで接着すると、立体型のマスクになる。作り方を記した説明書も同封されている。

 切り抜く大きさによって、子ども用や大人用にサイズを調整でき、洗濯して複数回使うことができる。型紙は市販のマスクを参考に、自治会役員が手作りした。

 自治会の会員が1年で約100世帯減ってきており、「会員の役に立つことができないか」とマスクキットを企画。1カ月ほど前から地元のウレタン加工会社と協議し、感染拡大で中止を決めた夏の夕涼み会の予算を資金に回した。

 発案した自治会副会長(71)は「50枚もマスクは必要ないという家庭は近所に分けてもらえれば」と説明。「助け合いの精神で大変な状況を乗り切ってほしい」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社