テークアウト 皆で応援 長崎県内 店紹介サイト続々開設

テークアウトやデリバリーに対応した店を紹介する各サイト

 新型コロナウイルス感染拡大で収入減にあえぐ飲食店がこぞってテークアウトやデリバリーを始める中、それをインターネット上で支援する動きが県内で広がっている。ホームページ(HP)や会員制交流サイト(SNS)を駆使し、店のPRを手伝ったり、外出自粛中でも「内食」を楽しもうと情報交換したりしている。
 長崎商工会議所は10日、公式HP内に「おうちでご馳走(ちそう)」を開設した。持ち帰りや配達に対応する長崎市内の店を料理写真を添えて紹介。掲載希望店はHPから申し込める。
 米軍基地がある佐世保市では、官民協働によるサイト「させぼEチャンネル」が10日に店の紹介をスタート。東彼杵地区も含め英語でテークアウトの接客ができる店を日本語と英語の併記で紹介している。4月末まで掲載店を募集中。
 壱岐市の市民有志は3日からHPや複数のSNSで「いきめし。」を発信し、地図付きで「壱岐(粋)なごはん」を多く紹介。購入者にも投稿を募っている。
 SNSではキーワードに#(ハッシュタグ)を付けて写真や文章を投稿すると、検索しやすくシェアや拡散を促せる。
 「“美味(うま)い”はコロナに負けない」と銘打ち島原半島3市で11日に始まったのは「#島原半島エール飯」プロジェクト。大分県別府市から全国に広がった#に地名と「エール飯」を組み合わせる手法にならい、「日頃通う店が危機にさらされている」と住民に協力を求める。雲仙温泉観光協会の担当者は「手軽に素早く情報を多くの人に届けられる」と期待する。
 長崎市観光推進課は9日から公式ツイッター(フォロワー数約2万人)で市民に募り、「#ナガサキテイクアウト」を付けた投稿の中からランダムに紹介。4月末まで、箸置きに出島をデザインした箸セットを抽選で15人に贈る。
 「飲食店が閉まると食材を提供する人や働く人にも影響が出る。子どもたちの未来を守る責任が大人にはある」。諫早市の会社員女性(44)は地元で感染者が出て、知り合いの店の予約がキャンセルされたのを機にそう考えた。4日から独自に収集した情報をインスタグラムやフェイスブックで「食べて応援!」を冠にして「長崎市・長与町・時津町」「諫早市」「島原市・南島原市・雲仙市」の3エリア別に同時発信している。
 サイト「おうちがレストラン テイクアウト長崎」は長崎市内の飲食店と取引のある人や客ら有志が今月つくった。エリア別やジャンル別で検索できる。特長は運営メンバーの取材による食レポ。メンバーの市内の会社員、西川洋志さん(36)は「自宅や職場でもプロの味を楽しめる利用者目線の情報が欲しかった。ひいてはなじみの店を支えられればうれしい」と話している。

 


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