ジオパーク解説板15基 刷新 字数、表現 分かりやすく 島原半島の協議会

リニューアルした解説板を説明する大野事務局次長=島原市仁田町、仁田団地第一公園

 官民でつくる島原半島ジオパーク協議会(会長・古川隆三郎島原市長)は、火山と人々の共生をテーマにした島原半島ジオパークのジオサイト(地質的な見どころ)などに設置している解説板の一部(計15基)をリニューアルした。各所の説明文をそれぞれ200字程度の短い文字数にまとめ直し、分かりやすい表現にするなど工夫した。大規模なリニューアルは初めてという。
 島原半島は2009年、国内初の世界ジオパークに認定。約430万年前の地層から雲仙・普賢岳の噴火に伴う溶岩ドーム(平成新山)まで、火山がつくり出したジオサイトなどを学ぶことができる。ジオパークを生かしたまちづくり、教育への活用など活動実績を国連教育科学文化機関(ユネスコ)が4年に一度審査。4度目の審査を来夏に控え、同協議会などが設置した解説板計77基のうち、ジオ学習などでの利用頻度が高い龍石海岸(南島原市)、秩父が浦公園(島原市)など15基をリニューアルした。
 新たな解説板(縦45~120センチ、横60~340センチ)は景観に配慮して背景色を白から茶に変更。半島全体の地図を示し、見どころを「ジオ(地質や岩石)」、「エコ(自然環境)」、「人(文化や歴史)」の3分野に整理し直し、色分けして記載した。
 古代から現在までの半島の成り立ちをイラスト10枚で年代ごとに紹介したほか、それぞれの解説板にはテーマを設定。分かりやすい情報発信に努めた。
 背後に眉山、前方に有明海を望む仁田団地第一公園(島原市)の解説板では「巨大な地すべりがつくった景観」と題し、1792(寛政4)年の島原大変が形成した地形を紹介。火山活動に起因する地震で崩壊した眉山の土砂が、有明海に流れ込んでつくり出した陸地や、山崩れで生じた崖などの眼前の風景写真に説明書きを加え、視覚的に確認できるよう工夫を施した。
 同協議会の大野希一事務局次長(50)は「解説板を通じて、目の前にある景色がどういったものかを理解し、価値を知ってもらいたい」と話している。

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