“愛の行為”でコロナは感染するのか? 『NY衛生局』や『BBC』が発表した「最も危険な“性的濃厚接触” 」とは?

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新型コロナウイルスは人類のとっての“未知なる敵”であり、それは“見えない恐怖”との戦いでもあります。

その終息への道しるべは、人と人が距離を置いて感染を防ぐことが第一であり、最も回避すべきは「濃厚接触」です。

かつて経験している戦争や震災時とは全く逆で、「手と手を取り合ったり、肩を寄せ合ったりして」この危機を乗り越えることはできないのです。

ましてや、「人と人が愛を育む」ことなど許されない……「LOVE&PEACE」さえ矛盾をはらむ……そんな“パラドックス”に陥っている人も多いことでしょう。

はたして、本当に「愛」が、「平和」を脅かすのでしょうか。

全世界の中でもコロナ被害がより甚大な欧米では、そんな「愛」の象徴である「性行為」について、“希望の光”ともいえる情報が公開されました。

「性行為そのものではコロナは感染しない」

もしも、それが事実であれば、人類にとって“福音”となります。

壊滅的被害を受けたアメリカのNY(ニューヨーク)では市の衛生局が、コロナ禍における「行動指針」を発表しました。

愛する人に指一本触れてはいけない?――「新型コロナと性行為の研究はまだ途上」と前置きしたうえで、そんな“悩ましい質問”に答えています。

現時点でわかっているのは次の3点です。

・新型コロナは感染者の便からも検出されている

・精子、膣分泌液からは未検出である

・従来型コロナは性行為では簡単にうつらない

つまり、「性交」そのものでは可能性が低いが、「口」や「肛門」に対する行為は、極めて危険であるということです。

そして、性交する相手は同居人が最も好ましく、同居人以外の場合は“極力”人数を絞るように…そう、NY市の衛生局は指針を出しています。

さらに、最も安全な性行為について、こう指南します。

「一番安全な性交相手は自分自身です」

ただしその場合でも、20秒以上は石けんで手を(道具があれば道具も)よく洗うように勧めています。

一方、「混在している事実と噂」を区別するために、イギリスで有名なアレックス・ジョージ医師が、BBC(英国放送協会)のインタビューで「性行為と新型コロナの知っておくべきこと」について答え、『BBC NEWS JAPAN』にも掲載されました。

ジョージ医師は、「理想としてはパートナーでも2メートルの距離を取ること」としながら「それは現実的ではない」としたうえで、“コロナ禍の性行為”について、こう指南しています。

「同居しているパートナーとの関係は、変える必要はありません」

「相手に発熱などの症状が出たら、愛する人から離れてください」

「新しい相手と性交するのは、いま絶対にやめたほうがいいです」

「避妊具の仕様は前にも増して重要です」

さらに、こんな突っ込んだ質問にもジョージ医師は答えています。

――他人の性器に触れたら新型コロナに感染しますか?

「お互いの性器を触っているなら、おそらくキスもしてるでしょう」

極めて“リアリティ”のある分析です…。

ともあれ、NY市の衛生局とBBCに共通している「指針」は、「“性交”自体で新型コロナが感染する可能性は低いが、それだけで済むはずはない。かといって完全に止めることも現実的ではないので、せめて決まった相手が望ましく、新しい相手はNG。理想は自分自身で…」ということです。

ひょっとしたら、性を秘め事にしがちな日本人にとっては、「ほっといてほしい」話かもしれません。

それでも、いつか訪れるはずの平和のために、未来へとつながる希望の光は、“愛の行為”からしか生まれない――それだけは、国境を越えた真実です。そのためにも正しい事実を知る必要があるでしょう。(文◎編集部)

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