【新型コロナ】クルーズ中止で返金トラブル ピースボート実施の旅行会社

ジャパングレイスが企画実施するピースボートのクルーズ船=2019年9月、横浜港

 「ピースボート」の船旅を企画実施する旅行会社「ジャパングレイス」(東京都新宿区)のツアーで、運航中止による旅行代金の返金を巡ってトラブルが起きていたことが15日、分かった。同社が提案した3年間分割に対し、顧客が反発。日本旅行業協会は同社から事情を聴き、指導することにしている。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で運航が中止になったのは、今月9日に横浜港を出港する予定だった「第104回ピースボート地球一周の船旅」。旅行代金は客室ごとに異なるが、1人139万円~395万円で、このクルーズには例年、約2千人が乗船している。

 要和弘社長は乗船予定だった顧客に宛てた手紙で、旅行代金を3年間分割で払い戻すと提案。「安定した経営のためには、お客様への払い戻しを平準化させていただく必要が出て参りました」と理解を訴えた。

 これに対し、顧客らは「利子無しでお金を貸しているみたい」「キャンセルの電話を入れたら返金36回払いと言われた」などとツイッターに書き込み、反発している。

 同社の旅行業約款には、旅行開始前に払い戻しが生じたときは、解除の翌日から起算して7日以内に払い戻すと定めている。日本旅行業協会は「期間内に希望者に返金できなければ約款に反するおそれがある」として同社を指導し、観光庁に報告する方針だ。

 同社は神奈川新聞社の取材に「旅行業約款を順守する。3年間の分割はお願いで、顧客とは個別に対応している」と説明している。

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