磯焼けの一因 ガンガゼを食用へ 養殖や加工、新たな特産品に 新上五島

ガンガゼの加工品=新上五島町若松郷

 長崎県新上五島町の若松中央地区漁業集落(増田克郎代表)は、磯焼けの一因とされるウニの一種、ガンガゼの実を食用にしようと養殖や加工に取り組んでいる。増田代表は「新たな特産品にしたい」と意気込んでいる。
 同集落は若松地区の漁業者ら約140人で構成、漁場の管理に取り組んでいる。ガンガゼは海藻類を食べるため駆除していたが、ムラサキウニが捕れない秋から冬にかけて、食用の商品にできないか2019年10月から研究。県の指導を受け、ガンガゼ約550個を海中のいけすで飼育。週に1回、キャベツとブロッコリーを餌として与え、計約10週間味の変化をみた。
 餌を与える前と、5週間目、10週間目を比較すると、苦味が薄れ甘みが増したという。塩や市販の昆布だしの顆粒(かりゅう)で味付けし、地元の宿泊業者らに試食を依頼。「ムラサキウニに比べ淡泊だが、おいしい」「色合いを良くしてほしい」との声があった。
 本年度中の商品化が目標。増田代表は「商品としては見た目の良さも大切。黒っぽい色合いを解消する方法を探っていきたい」と語った。

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