日本一「そのぎ茶」茶摘み始まる 東彼杵

一番茶を摘む尾上さん=東彼杵町

 昨年の全国茶品評会蒸し製玉緑茶部門で3年連続の日本一に輝いた「そのぎ茶」の産地、長崎県東彼東彼杵町で15日、一番茶摘みが始まった。八十八夜の5月1日ごろピークを迎える。
 同町では約260戸が約390ヘクタールで茶葉を栽培。昨年は県内生産の約7割に当たる437トンを出荷した。
 蔵本郷の茶畑(27アール)では、生産者の尾上和彦さん(43)が専用の機械に乗り込み、約1100キロの新芽を摘み取った。同町によると今年は暖冬の影響で生育が早まるとみられたが、3月以降の夜間の冷え込みで落ち着き、順調という。
 13日に佐賀県嬉野市であった西九州茶連の初入札では、尾上さんの新茶が過去最高値となる1キロ当たり5万2千円で同町の商社「池田茶園」に落札された。尾上さんは「新型コロナウイルスの影響で市場の動向が気になるが、緑茶の主成分カテキンの抗ウイルス作用も注目されている。急須で入れるお茶の魅力を再認識してほしい」と話した。
 6月中旬ごろから二番茶を収穫し、町全体で計約430トンの生産を見込む。

© 株式会社長崎新聞社