全国に緊急事態宣言 長崎県内の生活影響は不透明 県民の声「保育園どうなる」「辛抱するしか…」

多くの店舗がシャッターを下ろした中華街。緊急事態宣言でさらなる影響が懸念される=16日午後7時12分、長崎市新地町

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言が全国に拡大された16日。県内では、経済への影響を懸念しながら「仕方ない」と受け止める声とともに、子どもの教育や高齢者の福祉など生活にどう影響するのか心配する声が聞かれた。
 2人の子どもがいる西彼長与町の会社員、田中甫脩さん(32)は「家では外遊びもあまりできないし、保育園がどうなるのかが気になる。休園すれば大変そう」と困惑気味に話した。長崎市の自営業、岩永佳子さん(39)も「もし保育園が休園になれば、親にも頼めないし仕事を休むしかない」。
 3月に休校を経験した保護者は複雑な表情を浮かべる。長崎市の自営業、江川広文さん(42)は「給食がなく、(小学2年の子どもの)学童保育の弁当作りが大変だった」と振り返り、休校がないかと気をもむ。同市内の男性会社員(52)は「高校3年生の子どもは休校中、だらけがちで、学習面の不安が大きい。受験生の親はみんな心配している」と語った。
 一方、佐世保市の高校3年生、中村愛梨さん(17)は、通学のバスなどで感染リスクの怖さを感じているとして「もし休校になればほっとする」と打ち明ける。「地元でも感染者が増え、若い人も感染している。いつ収束するのか不安」
 「コロナへの不安は常にある。全国への拡大は分からなくもない」と語るのは島原市の自営業、山口節子さん(77)。先に緊急事態宣言が出された東京や福岡に娘や孫が暮らしており「既に宣言が出ていた地域の人と同じ気持ちでいた。会いにも行けなくなるので、家族の体調を心配している」と話した。
 感染者が相次いだ壱岐市。旅館を経営する長島修さん(38)は「ゴールデンウイークと重なるが、今は耐え時。早く収束してくれないと、誘客もままならない」とつぶやく。新上五島町の民生委員、谷村静子さん(71)は「1人出ればあっという間に広がる恐れがある」と、離島での感染拡大を心配する。本土へ渡ることも自粛してきた。「島に来るのも控えてほしかったので、緊急事態宣言は仕方ない。今は辛抱するしかない」と受け止めた。

 


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