"5万円"で購入したタックルでついにメバルゲット! …なるか? 新米釣り編集部員の奮闘日記#3

10年余りなんとなく釣りを続けていたルアマガプラス新米編集部員・東。
入社早々、先輩編集部員にドヤされ、心を入れ替えてイチから真面目に釣りに取り組むリアルドキュメンタリー。釣具店に行きタックルを自腹で揃え、そのまま釣りに直行。今回はシーズン真っ只中、食べて美味しく、入門としても間口が広いとされるライトゲームの王様「メバル」をメインターゲットにします。
釣具のポイント横須賀大津店の店長代行、石山さんの助けもあり、なんとか釣りを始められる状態にはなりました。しかしどうにも投げ方がヘナチョコだということで、日が暮れるまでキャストの練習です。

これまでのあらすじ

前回、ポイント横須賀大津店のスタッフ・石山さんからフルセットでタックルを購入した東。しかし釣り場に着く前から救命胴衣を逆さに付ける、ショルダーバッグをウエストバッグと間違えるなどのポンコツぶりを遺憾なく発揮し、これまで続けていた初心者キャストをお披露目すると先輩方から爆笑される始末。背中に冷や汗を流しています。

“5万円”で海のルアー釣りを始めてみた!新米釣り編集部員の奮闘日記♯01 - ルアマガ+(プラス)|内外出版社

"5万円"店員さんに丸投げするとどんなタックルが揃うのか? 新米釣り編集部員の奮闘日記♯02 - ルアマガ+(プラス)|内外出版社

メバリングは日が暮れてからが勝負。暗くなるまで熱血指導。

大木「メバルは暗くなってから釣れ始める。まだ時間があるからそれまで練習!」

10年来続けていたヘナチョコ投法を矯正され、キャストのやり方から逐一コーチ。しかし長年染み付いたクセのせいで思うように飛ばせない。

福重「経験はあるって聞いてたんですけどね~…」

福重先輩はソルト担当の編集部員。本誌の取材も兼ねて同行しています。今回はなんと自作ロッドを携えて参加、その外見どおり優しく教えてくれます。

一同苦笑するしかない。奥が「ルアーマガジン・ソルト」編集担当の福重先輩です。

初めて使うPEライン。洗礼を受ける

(景気よくキャスト中)うおっ切れた。何回もミスキャストしたせいか…。ルアーは回収できてよかったけれど、リーダー結び直さないと。

内股のふたり。結び方を教わるの図。叔父さんと甥っ子的雰囲気が漂う。

福重「理想を言えば最強強度FGノットを覚えてもらうのが一番なんですけど、今回は簡単なトリプルエイトノットでやってみてください」

PEラインは怖くない!PE&リーダー結束かんたんノット|細糸編【世界のラパラ北出氏監修】 - ルアマガ+(プラス)|内外出版社

聞いてみればユニノットより簡単じゃないですか。これならお手軽です。

福重「実は僕も本当にFG覚えたのは最近ですからね…。でも今後ソルトゲームをメインにやるつもりなら覚えておいて損はないですよ」

ハイ、頑張ります…。

福重「それからキャストした時、ラインが出過ぎないよう手で抑えるフェザーリングなんかも意識したほうがいいです。出過ぎてたるんだラインをそのまま巻き取るとヨレてトラブルの原因になります。きちんとテンションを掛けて巻けば、リールのほうがヨレないように調整してくれます」

ああ、ちゃんとしたリールって言うのはそういうことなんですね。そしてきちんと使い方を守らないとせっかくの性能を発揮できない。身をもって体感中です。(絡まったラインを切りながら)。

強力な助っ人その2、『安田ヒロキ』さんが登場!!

先行きはかなり不安ですが、先輩たちの薫陶を受け、3回に2回くらいはギリギリまともに飛ぶようになりました。はい、ダメダメです。しかしそろりそろりと夜の帳は降り始めて、石灰で描いたような月も黄金色に輝きつつあります。メバリングタイム。

そこに現れた次なる助っ人とは…?

APIAのフィールドスタッフでもある『安田ヒロキ』さんが登場!シーバスのスペシャリストです。

【Profile】
安田ヒロキ(やすだ・ひろき)
東京湾をベースに港湾、干潟、河川など幅広いフィールドで研鑽を重ねるシーバスアングラー。あらゆる局面に豊富な引き出しで対応し、確実に結果を残す逸材。アジやメバル狙いのライトゲームも得意。1990年生まれの若手アングラーで、今後の活躍にも注目が集まる。めちゃめちゃいい人でした。

安田ヒロキ(@hiroki.yasuda) • Instagram写真と動画

安田「釣りは本当の本当に初めてなの?」

あっハイ。まったくのゼロだと考えてください(すでに自尊心をヘシ折られている)。

安田「初心者の人に釣ってもらうためのポイントがあるから、そこに行こう」

流石はフィールドスタッフです。しかし、そこまで気を遣ってもらえばこちらとしても釣らないわけにはいかない…!

月下美人の面目躍如…?

先ほどまでの練習と違い、釣る気で投げる第1投。褒めて伸ばすモードに切り替わった大木・福重両先輩らの「だいぶマシになった」という声だけを頼りに、タイドビートを付けた月下美人のジグヘッドを1~2秒に1回のペースでただ巻きします。

1投目でワームを食いちぎられる。安田さんによれば「このあたりはフグもウヨウヨいる」とのこと。

「とりあえずこのタックルとこの動かし方で魚は反応するんだ!」なんて低次元な発見にひとりキャピキャピしていると、少し離れて堤防側面の穴を撃っていた福重先輩にヒット。

自作ロッドでの初フィッシュ、おめでとうございます! 表情にうれしみがあふれ出ていますね。

ワームもクリア系がいいみたいですね。テールも生えて動きでもアピール、エスフィッシュ1.7インチは姿勢制御のためにボディ側面にもヒレを採用。考え抜かれています。

安田「ワーム千切られちゃうならプラグのほうがいいかもね。今僕が使ってるシンキングペンシルに食って来てるから貸してあげる。動かし方はジグヘッドと同じで大丈夫だけど、根がかりには十分気をつけてね」

横でバカスカ釣っていた安田さん。流石はプロ。反応のいいプラグを直々にお借りしてしまいました…!

借り受けたのはAPIAのパンチライン60。僕でも飛距離が出しやすく、安定感のある動きで扱いやすいシンキングペンシルです。カラーはケイムラゴースト。ええと、確か水が澄んでいれば透明な「クリア系」。濁っていれば色の濃い「アピール系」。今日は水底が見えるほど綺麗だから「クリア系」のケイムラゴーストということか。

安田「岸に付いてるみたいだから、横に投げて岸沿いに引くといいかも」

アタリは感じつつもうまくノセられず、苦戦しているところに安田さんのアドバイス。承知しました。言われたとおりやってみます。すると。

なんとか釣れました…! 生で見ると目玉のクリクリが尋常じゃない。たべちゃいたいくらいかわいい。

愛くるしいサイズだけどホントに掛かった。やったぜ。しかし、プロからこんな初歩的なことを教わってしまっていいのだろうか…。

安田「俺は世話好きなんで大丈夫!主役にも釣ってもらったし、今度は尺狙える場所に行ってみましょうか。うっかりヒラスズキもあるかも」

夢のような話。うっかりとはいったい…。

デカメバルあらわる

車でしばらく移動、到着してからひとりスナップの付け替えに手間取っていると、早々に福重先輩にヒット。足場が悪いとはいえ、苦戦している様子を見るになかなか大物っぽいです。

25センチになるデカメバル。サイズはもちろん体高も高く、その姿はタイと見紛うほど。
この瞳の美しさよ! このあたりではそうそうお目にかかれないサイズとのこと。

ヒットルアーはビーグル(メガバス/nadar)。メガバスフリークな福重先輩愛用のスタンダードメバルプラグです。

がぜん火がつく一同。大木先輩も僕の子守り役を急遽辞任して戦闘態勢に入ります。しかしこのポイントは大物がひそむものの、どうやら魚影自体は薄め。先ほどの場所と比べるとアタリも少なめです。ですがここで安田さんが意地を見せる。

デカい。福重先輩を3センチ超えて28センチ! たべちゃいたいくらい美味しそう。

安田さんがデカメバルを見せてくれたところで終電の時間が近くなり納竿。残念ながら明日も朝から働かなきゃなりません。

ともかく蓋を開けてみればプロ>編集部員>したっぱ編集部員の差が如実に現れる結果に。プロにはプロたる実力があるのだ…! 安田さん、遅くまでありがとうございました!

安田さんが夜の海からデカメバルを引っこ抜いたのは、僕がお借りしたのとは別カラーのパンチライン60。このシラス一番もクリア系ということで、この日の正解はやはりクリアなルアーだったということですね。濁ればアピール、透ければクリア。覚えました…!

ちゃんとしたタックルを買うとちゃんと釣りがしたくなる。

いやあ、楽しかったです。しかし今回の釣果だけで終わらせるわけにはいかない。5万円かけてかわいいサイズが一尾のみ。いくらかわいかったとしても安田さん、福重先輩の釣り上げたデカメバルの姿が脳裏を走ります。また行こうっと。とりあえずメバルに関してはこのタックルを使えば十分ですしね。

大木「何言ってんの全然足りてないよ。磯でやるならスパイクブーツ履かないと危ないしライフジャケットも膨張式じゃないベストタイプが要るし、フィッシングバッグ**も大小2つは欲しいでしょ。ルアーの数もワーム3つとプラグ2つじゃぜんぜん足んないしもっと買わないと…」

えっ5万円で足りてないんですか…?

大木「今度はショアジギとかもやりたいね」

この人に付いていくとお金がいくらあっても足りなくなるのでは…。(了)

※一連の記事は自粛要請前に取材したものです。

安田ヒロキさんの活躍はこちらからも。ありがとうございました!

シーバス界の若き逸材!『安田ヒロキ』が春のマイクロベイトパターン攻略におススメする2大ルアー!! - ルアマガ+(プラス)|内外出版社

© 株式会社 内外出版社