2004年アテネ大会から女子が加わり、男子フリースタイル、男子グレコローマンとともにオリンピック・レスリングの“運命共同体”となった3スタイル。男子のみが行われていた時代からの金メダルの合計は、戦後からの参加だったが男子両スタイルで強さを誇っていたソ連が「62個」で1位、戦前から参加していて男子フリースタイルで強さを誇っていた米国が「54個」で続く。
3位は、女子で圧倒的な強さを持つ日本が「32個」で続いている。歴史的に見て日本が“レスリング大国”であることは間違いない。しばらくの間は女子を中心に上乗せできるだろうが、1996年アトランタ大会から参加のロシアが「30個」で急迫している。男子の奮戦がなければ、3位の座を譲ってしまうことになるだろう。
3スタイルに渡って金メダルを取っているのは、日本のほかは、米国、ロシア、ウクライナの4ヶ国。ひとつの大会で3スタイルのチャンピオンを輩出したのは2012年ロンドン大会におけるロシアのみで、3スタイル均等に強豪を育成するのは至難の業のようだ。地元オリンピックで日本も続きたいところ。
これまで男子両スタイルで金メダルを取っていて、現勢力からして来年の東京オリンピックで女子が加わる可能性がある国は、トルコ(女子76kg級で可能性あり)、スウェーデン(女子53・68kg級)、ブルガリア(女子57・62kg級)、アゼルバイジャン(女子50kg級)など。
3スタイルの国別メダル獲得数は、下記の通り。
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は現在、ドーピング検査での検体を10年間保存し、最新技術で分析して過去の違反者を摘発しています。2016年リオデジャネイロ大会後でも、2008年北京大会金メダリストのメダル剥奪が正式に決まり、同級の順位が変動しています。下記は2020年3月現在の記録で、今後のドーピング違反摘発によっては、数字が変わります。
オリンピック・国別通算メダル獲得数(3スタイル合計)
※2020年3月現在
No. 国 名 金 銀 銅
1 ソ 連 62 31 23
2 米 国 54 43 35
3 日 本 32 21 16
4 ロシア 30 14 15
5 トルコ 29 18 16
6 スウェーデン 28 27 31
7 フィンランド 27 28 30
8 ハンガリー 19 16 20
9 ブルガリア 16 32 21
10 韓 国 11 11 14
11 イラン 9 14 20
12 キューバ 9 6 9
13 ルーマニア 7 8 19
14 イタリア 7 4 10
15 EUN 6 5 5
16 ポーランド 5 9 12
17 エストニア(旧) 5 1 4
18 アゼルバイジャン 4 7 11
19 ユーゴスラビア 4 6 6
20 フランス 4 4 10
21 スイス 4 4 6
22 ドイツ(旧) 3 8 6
23 カナダ 3 7 7
24 ジョージア 3 5 10
25 ウクライナ 3 5 6
26 英 国 3 4 10
27 ギリシャ 3 3 7
28 北朝鮮 3 2 5
29 ウズベキスタン 3 2 3
30 中 国 2 3 6
31 アルメニア 2 3 3
32 エジプト 2 3 2
33 ノルウェー 2 2 2
34 西ドイツ 1 8 6
35 チェコスロバキア 1 7 7
36 カザフスタン 1 5 9
37 デンマーク 1 4 7
38 ドイツ(新) 1 4 3
〃 東ドイツ 1 4 3
40 オーストリア 1 2 2
41 セルビア 1
42 ベラルーシ 5 6
43 モンゴル 4 5
44 ベルギー 3 1
45 インド 1 4
46 オーストラリア 1 2
〃 キルギス 1 2
〃 レバノン 1 2
49 リトアニア 1 1
50 エストニア(新) 1
〃 シリア 1
〃 スロバキア 1
〃 タジキスタン 1
〃 プエルトリコ 1
〃 メキシコ 1
〃 ラトビア 1
57 コロンビア 2
58 スペイン 1
〃 チュニジア 1
〃 チェコ 1
〃 パキスタン 1
〃 マケドニア 1
〃 モルドバ 1
合 計 412 414 468