氷山、ペンギン、しらせの生活…。南極観測隊への同行取材中、数え切れないほどの写真を撮った。これまでの記事で紹介しきれなかった写真もたくさん。そのままハードディスクに埋もれさせていくのはもったいない。そこで、ぼちぼち南極番外編として、観測隊の表情や南極のさまざまな風景を何回かに分けて紹介したい。まずは、南極観測船「しらせ」がオーストラリア西部の港町、フリマントルを出港してから昭和基地への往路の様子をどうぞ。(気象予報士、共同通信=川村敦)
①フリマントル出港の翌日、しらせのオペレーション室で、海洋観測の計画を打ち合わせる第61次観測隊員。海氷や天気の状況によって、計画はひんぱんに変わる=2019年12月3日
②しらせ船内の理容室で、第61次観測隊員の小原徳昭さんが頭を丸めた。バリカンを当てたのも同じ観測隊員の村松浩太さん。この後にも続々と坊主が誕生=12月3日
③魚雷発射! …ではなく、「XCTD」という観測装置を投入する観測隊の柴田成晴さん。使い捨て式で、海に沈みながら水温や塩分を測る=12月6日
④運動不足解消のため、しらせには各種トレーニングマシンを備えた保養室もある。記者もしばしばエアロバイクをこいだり、筋トレをしたりした=12月6日
⑤南下するしらせが、南緯55度を越えた。慣例により、「しらせ船内郵便局」が開設。記念色紙に消印を押すしらせの乗組員=12月7日
⑥この日は、第61次隊の航海で初めて氷山を確認。人生で初めて氷山を見たので興奮したが、この後、もっとでかい氷山をいくらでも見ることができた=12月7日
⑦フリマントルを出港してから1週間。しらせは無数に海氷が広がる海域に入った=12月9日
⑧氷海の中の観測作業。夜中でこれくらいの明るさ=12月9日
⑨アルコール度数55度に濃縮した「コンクウィスキー」が配布された。体を温めるためか、容量を減らすためか。これも観測隊の伝統で、食堂に甘いにおいが漂った=12月12日
⑩観測のためにヘリに乗る直前、搭乗員待機室でスタンバイする観測隊員ら。ヘリのクルーは待っている時間が長いので、ちょっといい感じのいすなんだとか=12月16日