緊急事態宣言 部活動再び休止 モチベーションどう保つか

時間を惜しむように部活動に励む高校生。県高総体が約1カ月半後に迫る中、再びチーム練習が制限される=長崎市、長崎南高グラウンド

 緊急事態宣言の拡大を受けて、22日から長崎県内の県立学校が休校となるのに伴い、部活動も再び休止に追い込まれることになった。1カ月程度の休止期間が明けた3月下旬から、多くの中学、高校が順次活動を再開していた中での再休止。選手や指導者からは落胆の声が上がると同時に、理解を示す意見も聞かれた。
 春の各種大会が中止となり、中高生は6月の県高総体、5月中旬から順次開催予定の各郡市中総体、7月の県中総体などに照準を合わせて練習に励んでいた。
 17日、長崎市の長崎南高グラウンドでは、休校までの時間を惜しむように体を動かす生徒たちの姿があった。サッカー部の森岡優斗主将は悔しさをにじませながらも「みんなの命が大事なのでしょうがない。練習が再開できたら、県4強を目指して思い切りサッカーしようとチームで話した」と前を向いた。ラグビー部の松田快里主将も「部員不足の中で1年生が多く入ってくれたのに、練習できないのは残念。自宅でそれぞれができることをやって終息を待ちたい」と自らに言い聞かせるように現状を受け止めていた。
 バスケットボールで1月の県高校新人大会男子を制した佐世保工高は、10年ぶりのインターハイ切符獲得を目指して練習を続けていた。水戸義久監督は「思いを持ってひた向きに頑張る子どもたちの姿を見ていると心が痛むが、状況を考えると仕方がない。今後、モチベーションをいかに保たせてあげられるか…」と生徒たちを思いやった。
 小中学校などの市町立学校や私立学校も今後の対応を迫られる中、私立の創成館高は20日からの休校と全部活動の休止を決定した。江口英治副校長は「子どもたちも世の中のことをよく見ている。早く終息するためには自重も必要だと分かってくれると思う。各部の顧問には子どもたちが極力体を動かせる工夫をするよう伝える」とコメントした。

 


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