生まれてから死ぬまでサポート 動物福祉の思い本に 京都市動物園

©株式会社京都新聞社

京都市動物園が出版した書籍「いのちをつなぐ動物園」

 京都市動物園(左京区)が、書籍「いのちをつなぐ動物園~生まれてから死ぬまで、動物の暮らしをサポートする」を出版した。近年関心が高まっている「動物福祉」の観点を中心に、市動物園の幅広い取り組みや動物の多彩な素顔を分かりやすく伝えている。

 2015年にリニューアルし、約120種を飼育する市動物園の現在の姿を広く知ってもらおうと、研究や教育を担う園の「生き物・学び・研究センター」がまとめた。トラやジャガーの迫力を間近で体感できる「もうじゅうワールド」や、キリンやシマウマのいる「アフリカの草原」など園内の計7ゾーンを豊富な写真を交えて紹介している。

 動物福祉は、動物の負担軽減や本来の行動ができる環境づくりを含め、生涯にわたって生活の質の向上を目指す考え方。書籍では、丸太を立体的に組み合わせたり、食べ物を隠す場所を増やしたりと、限られた空間を機能的に活用しながら、野生の生育環境に近づけているツキノワグマ舎の取り組みを解説する。

 他の動物についても食事や健康管理のトレーニング、休息場所や動物同士の距離感などさまざまな改善事例や課題を記した。1月に国内最高齢で死んだライオンのナイルについても触れている。

 また、動物園の重要な役割である、種の保存に向けた研究や、ラオスから来た4頭のゾウにまつわる章のほか、人と動物の絆やキリンの睡眠事情といったコラムも充実させた。

 京都市動物園は新型コロナウイルスの影響で来月6日まで休園中。田中正之同センター長は「動物園の魅力はたくさんあり、本を通して見方が変わればうれしい。園の再開時に、生き生きとした動物に会うのを楽しみにしていただけたら」と話す。

 小(ちい)さ子(ご)社刊。A5判176ページ、1800円(税別)。市内の書店やインターネットなどで購入できる。

写真やコラムなども充実している「いのちをつなぐ動物園」