若者が飛びついたスポーツカーらしいスポーツカー
1989年に登場した日産 180SXは、エレガントなデートカーとして人気を博していたS13 シルビアよりもスポーティーなデザインやセッティングが施されていた。リアハッチを備えた3ドアファストバッククーペのスタイリング、リトラクタブルヘッドライトを装備し、見るからにスポーティーな印象を与えてくれる。
北米市場向けだった240SX(シルビア)をベースに、足まわりを180SX用に再セッティングし日本市場用に仕立てられているのも180SXならではのポイントだ。4速ATと5速MTをラインナップしていたが、販売された9割以上がMTであったことからも運転好きに好まれていたことがわかる。
今でも高評価で人気の中期型
1991年には、大幅な改良が実施され中期型へアップデート。2000ccのSRエンジンを搭載し、よりスポーティーな走りを手に入れた。四輪操舵システムであるSUPER HICASの進化、上級モデルにはデジタル表示のオートエアコンが装備され、スポーティーさと快適性を両立させている。1996年には「TYPE R」をベースとした「TYPE R スポーツ」を300台限定でリリースし、スペシャリティクーペ市場を盛り上げた。
丸型4灯のテールを手に入れた後期型
限定車のリリースと同年の1996年に改良がされ後期型となり、丸型4灯のリアコンビネーションランプや大型のリアスポイラー、リアブレーキ容量のアップ、アルミホイールのデザイン変更などを実施。バブルの崩壊で下火になりつつあったクーペ市場で生き残りをかけて改良されたものの、1999年にシルビアに統合される形で生涯を終えた。
1世代限りのスペシャリティクーペであった180SXは、生産が終了してからもコンパクトなFRスポーツモデルとして人気が高く、復活を望む声が絶えない。
スペックや価格
■全長×全幅×全高=4,520mm×1,695mm×1,290mm
■エンジン
・直列4気筒 1800cc CA18DET
・直列4気筒 2000cc ターボ SR20DET
・直列4気筒 2000cc SR20DE
■駆動方式:FR
■トランスミッション:4速AT/5速MT
■価格:249万8000円(1996年式タイプX)
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