佐藤琢磨のインディカーiRacingチャレンジ初戦は12位「とてもコンペティティブなフィールド」

 4月18日(日本時間19日)、新型コロナウイルスの影響で開幕できていないNTTインディカー・シリーズがファン向けに開催しているバーチャルレース、インディカーiRacingチャレンジ第4戦『ファイアストン175』が栃木県のツインリンクもてぎを舞台に行われ、初めてシリーズに参戦した佐藤琢磨(パナソニック/ケーヒン/レイホール・レターマン・ラニガン)は12位でレースを終えた。

 インディカーiRacingチャレンジは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実際のレースが行えていないインディカーシリーズが開催しているバーチャルレースで、ドライビングシミュレーターのiRacingを使い、実際の参戦ドライバーが自宅から参加している。シミュレーターとはいえ非常にリアルで、本番さながらのレースを楽しめるのが特徴だ。

 シリーズはこれまで3戦が行われてきたが、琢磨も機材をそろえ、第4戦からの参戦を目指したが、奇しくも第4戦の舞台は、ランダムチョイスでツインリンクもてぎに決定。2010年以来のもてぎオーバルのレースで、琢磨はiRacingデビュー戦がいきなりの“母国レース”となった。

「インディカーレースの開催も延期になっていて、バーチャルではありますが、応援してくださるスポンサーのみなさん、ファンのみなさんに少しでも自分の走りを見てもらえればと、初めてのオンラインシミュレーションレースに挑戦しました」とレースに臨んだ琢磨は語った。

「インディカーiRacingチャレンジは、バーチャルである以外はほとんど本物と同様のオペレーションになります。レースコントロールがあり、2日間の合同練習や、チームのエンジニアたちもオンラインで日夜バックアップするなど、本当に真剣なレースです」

「今回は10年前までインディジャパンを開催していたツインリンクもてぎが舞台でしたので、私もオンラインレースのデビュー戦ながら気合十分でした」

 そんな琢磨だが、序盤の混戦のなかで姿勢を乱したエリオ・カストロネベス(ペンゾイル・チーム・ペンスキー)のクラッシュに巻き込まれてしまい、ほぼ最後尾に後退。現実のレースならそのままリタイアとなるところだが、シミュレーターならではと言える『ファストリペア』が1回のみ可能。琢磨は戦線に復帰し、追い上げをみせた。

「レースは序盤のアクシデントに巻き込まれてしまい、残念ながらほぼ最後尾からのリスタートとなってしまいましたが、33台のエントリーがあるなかで、12位まで順位を上げてチェッカーを受けることができました」と琢磨はレースを振り返った。

「コース上でのバトルはいつもレースしているドライバーの癖なども見えて本当に面白い反面、とてもコンペティティブなフィールドでした」

 琢磨は4月25日に行われる第5戦にもエントリーを予定している。コースはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)だ。「来週はロードコースのCOTAが舞台となります。オーバルとはまた違った難しさがあって、大きな挑戦になりますが、シミュレーターに慣れるためにも、さらに練習を重ねて挑みたいと思います」と琢磨は意気込んだ。

 また琢磨は、今の世界の状況についても「新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大しているなか、使命感をもって、コロナウイルスと戦ってくださっている医療従事者の方々、生活を維持するために働いてくださっている方々に心から感謝致します」と語った。

「そして、ステイホームを呼びかけあって不要不急の外出を控えているみなさん、先の見えないなかで不安やストレスを抱えている方も多いと思いますが、感染拡大防止に向けて、いま一度、自覚をもった行動で一緒に乗り切っていきましょう」

インディカーiRacingチャレンジに参戦した佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)
バーチャルで復活したツインリンクもてぎのオーバル

© 株式会社三栄