DML61ZAってなに? 気動車や機関車に搭載されたディーゼルエンジンのモデルコードからわかること

JR非電化区間や貨物駅構内で活躍する機関車や気動車は、HD300形やDF200形、キハE200形のように、ディーゼルエンジンで発電し、モーターで駆動する電気式(ディーゼルエレクトリックエンジン)が台頭しつつあるなか、まだまだディーゼルエンジンのみで走るくるまも多い。

たとえば、東武鉄道のSL列車「SL大樹」は、蒸気機関車C11形207号機のドラフト音に加え、14系客車 スハフ14 5 の床下にある発電用ディーゼルエンジン DMF15HZ-G や、DE10形1099号機の心臓部分 DML61ZB のカラカラカラ……という音が聞こえてくる。

ガソリンエンジンを採用した車両も1920年代から登場したけど、船舶で実績のあるディーゼルエンジンが経済性やパワーなどで優れるということで、蒸気機関車のあとを継いだディーゼル機関車や、動力分散化の流れで生まれたディーゼルカーのように、ディーゼルエンジンがまだまだ主役。

鉄道省や国鉄の時代につくられたエンジンは、ディーゼルのD、ガソリンのGを頭文字に、DM や GM から始まる型式名がつけられた。ガソリンエンジンの GMF13 や、DE10に搭載される DML61ZA といった具合(※1000番台以降はDML61ZBを搭載)。

この GM や DM のあとに続くアルファベットは、エンジンの気筒数。FはAから6番めなので6気筒、DMLのLはAから12番めで12気筒という具合。そのあとの数字は排気量(リットル)で、例えばDML61Zは、ディーゼルエンジン、12気筒、61リットル、インタークーラーつき、と読める。

JR東日本の最新モデルに積まれるエンジンも同じ。たとえば小松製作所製 DMF15HZD-G を積む川崎重工業製 GV-E400系 は、6気筒15リットルターボつき、発電用のエンジンを搭載している、と読める。

※2020年4月21日10時10分追記
DE10形1000番台以降は「DML61ZB」を搭載しており、「SL大樹」のDE10形1099号機も同様ですので、記事本文を修正いたしました。ご指摘いただき誠にありがとうございます。(鉄道チャンネル編集部)

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