新型コロナ感染拡大、地域の消防団活動に影 夜回り中止、SNSで情報発信模索

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「無火災推進日」の懸垂幕を手にする中野さん。新型コロナウイルスの消防団活動への影響について気をもむ(京都市中京区・市消防局本部庁舎)

 新型コロナウイルスの感染拡大は、京都市内の消防団活動にも影を落としている。消防団員が訓練の成果を披露する市消防団総合査閲が中止となり、今月からは火災予防活動の中心となる地域の夜回りも全面的に見合わせており、団員から不安の声が出ている。

 市内には225の消防分団があり、計4643人が所属(3月1日現在)。市消防団総合査閲は1976年度から実施され、各行政区の代表分団が、行進、敬礼などの規律に沿った行動や、小型動力ポンプを使った放水などの技能を競う。今年は6月7日に予定していたが、屋外でも団員同士が密着したり大声を掛け合ったりするため、取りやめに。5月に行われる各行政区での査閲も中止になった。
 また、団員たちは毎月5、20日の「無火災推進日」には、住民に防火を呼び掛ける夜回りや機器の点検、規律訓練などに当たるが、3月から自粛の動きが出始め、今月からは災害現場を除く活動全般を控えている。
 消防団の活性化に取り組む横断組織「市消防団充実強化実行チーム」の前副代表、中野祐司郎さん(38)=東山消防団一橋(いっきょう)分団=は「夜回りをすることで地域を把握し、住民との顔の見える関係づくりにもつながる。消防団員は他にも地域の役を担っている人が多く、さまざまな情報交換の場にもなっている」と、日頃の活動の意義を強調。本来なら査閲に向けて厳しい訓練が始まる時期だけに、技術の指導や体力維持にも気をもむ。
 年度始めは入団の呼び掛けも活発になる時期だ。市職員の中野さんは近年、新規採用職員に対して消防団活動を積極的にアピールしてきたが、今年は規模を大幅に縮小せざるを得なかった。中野さんは「事態がいつ終息するのか不安があるが、SNSを使った火災予防などの情報発信に力を入れたい」と話す。

昨年の京都市消防団総合査閲の様子(2019年6月、京都市南区・市消防活動総合センター)=市消防局提供