行き場失い野宿 今後増えるおそれ 横浜市や支援団体危惧

横浜市が夜間巡回で路上生活者に配布したチラシ=16日、横浜市中区

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、行き場を失い野宿する人が今後増えるおそれがあるとして、横浜市や、支援団体が市内中心街で警戒を強めている。

 市は16日夜、同市中区の市役所周辺の道路や公園などを巡回。▽横浜スタジアム周辺などの横浜公園に22人▽マリナード地下街につながる地下通路に15人▽馬車道駅に10人▽山下公園に4人─の計51人の路上生活者を確認した。臨時休業したインターネットカフェの長期利用者はいなかったという。

 市は相談窓口として各区役所の生活支援課を紹介する一方、路上生活者に「ゴールデンウイーク中は休庁するため、5月1日までに相談を」と伝えた。

 横浜・寿地区の支援団体は、15日夜に横浜駅周辺、16日夜には関内駅周辺で臨時の夜間巡回を行った。横浜駅の地下通路ではネットカフェの休業に伴い居場所をなくしたという50代の男性が野宿していた。寿支援者交流会の高沢幸男事務局長は「感染拡大を防ぐためにも、緊急的な一時宿泊場所は個室を確保することが望ましい」と話した。

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