「巣ごもり消費」に活路 レトルトで五島の味“共有”プロジェクト

食品製造・販売業「ごと」 他店の収入確保へ協力

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東京や大阪のスーパーなどから注文が相次いでいる「ごと」のレトルトカレー

 こだわりの味を「お届け」できます-。新型コロナウイルス禍で飲食店の客足が途絶える中、長崎県五島市の食品製造・販売業「ごと」(木下秀鷹社長)は、市内の店から料理のレトルト加工を請け負う事業を始める。自社設備を活用し、原材料費や水道光熱費などの実費のみ受け取る。常温での長期保存と島内外への発送を可能にすることで、各飲食店の収入確保や販路拡大に協力したい考えだ。
 同社は五島産品を使った食品製造や通信販売、カフェなどを手掛ける。土産品売り場やカフェの売り上げは落ち込む一方、ここ1カ月ほどは東京や大阪のスーパーなどから、同社製レトルト食品の大量注文が続いている。都市部の「巣ごもり消費」が拡大した影響とみられ、例年の1.5倍ほどの受注量という。
 そうしたレトルト需要の高まりを受け、木下社長は「売り上げが下がった他の飲食店にも、うちの技術で協力できるのでは」と発想。同社が所有する加圧加熱殺菌装置を“共有”するプロジェクトを企画した。
 レトルトパウチに入れて殺菌することで、賞味期限1年以上での常温保存が可能になる。加工に適しているのはカレーやスープ、パスタソース、おかゆ、介護食などの煮込み系料理。飲食店側が袋詰めまで行い、加圧加熱処理を同社に依頼する形か、同社にレシピを伝えて調理から全て任せる形かを選ぶことができる。

レトルト加工の請け負いを始める「ごと」の木下社長=五島市吉久木町

 同社は100個程度から引き受ける考えで、パウチに貼るラベルの製作も必要に応じて請け負う。製造したレトルト商品は、同社の通販サイトなどで紹介することも可能という。
 木下社長は「新型コロナ収束後を見据え、島外への販路確保による経営リスク分散や、売り上げ拡大にも活用してほしい。五島全体がもうかる形を目指したい」と話した。問い合わせは同社のメール(goto@nagasakigoto.jp)か電話(0959.75.0111)へ。