新型コロナウイルス感染拡大を防ごうと全国で外出自粛が呼び掛けられる中、神奈川県の三浦半島では晴天の19日、沿岸部を中心に渋滞が発生するなど混雑した。自治体による周知が行き届いていないことが浮き彫りになり、地元関係者らは「ゴールデンウイークに向け、より伝わる観光自粛を発信したい」と警戒感を強めるが、来訪を断るメッセージを観光地が発信することを不安視する向きもある。また、密閉・密集・密接の「3密」を避けて都心などから車で訪れた人からは、長期化する外出自粛の過ごし方に悩む切実な声も漏れた。
◆鎌倉
観光地・鎌倉では19日午後、海岸沿いの国道134号などで渋滞が生じ、目抜き通りの若宮大路も車で混み合った。都内ナンバーやカーシェアリングの車も多くみられ、鶴岡八幡宮近くに住む70代の主婦は「観光客は明らかに減っているけれど、お天気だからか今日は人出があるわね」と驚いた様子だった。
訪問客からは「3密」を避けて行き先を検討した結果、鎌倉に来ることになったとの声が聞かれた。都内の男性は「鎌倉がここまで空いていることはない。密集を避けて訪れた」とし、横浜市から自転車で訪れた20代の男女は「電車や車では迷惑がかかる。自転車で海岸や公園にも行けなくなったら、今後どう過ごそうか」と困惑していた。
鎌倉市内の公営駐車場は閉鎖などで利用制限中だが、その効果も限定的だ。海岸沿いの飲食店を訪れ、海岸でも過ごした県内の20代の男性会社員は「電車は怖いので車で来た。民間駐車場があるので止めづらさは感じない」と打ち明けた。