富山の企業、増産に協力 アビガン原薬の生産検討

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 富山県内の複数の製薬企業が新型コロナウイルス感染症の治療効果が期待される新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の原薬や中間体などの生産を検討していることが、20日分かった。ダイト(富山市)や十全化学(同)、立山化成(射水市)などが前向きとみられる。

 アビガンは富士フイルム富山化学(東京)が富山市の工場で製剤化している。製薬企業関係者によると、富士フイルム側が複数の企業に連携を打診し、各企業が受託に向け、別の医薬品との生産調整や人員、設備投資などの検討に入った。

 アビガンの製造では、原料の化合物をはじめ、原料と製品の途中の「中間体」や製品化直前の「原薬」が順に生産される。複数の企業が工程別に生産し「サプライチェーン」(部品の調達・供給網)を構成する。

 有効成分である原薬の生産について、ダイトは「受託の有無は答えられない」、十全化学は「富山県のアビガン増産説明会に参加したが、方針は明かせない」としている。中間体などの製造を検討しているとみられる立山化成は「生産するには準備が必要。守秘義務が生じる」としている。

 富山には医薬品を合成する「ファインケミカル企業」が集積し、複数の企業が原薬や中間体を製造する技術、設備を持つ。富士化学工業(上市町)は17日に原薬を生産すると発表した。

 国内では富士フイルムがワコーケミカル広野工場(福島県)で原薬製造設備を増強し、カネカ(東京)も原薬を供給する方針を示している。