福本豊の106盗塁、小鶴、秋山、バースらも… プロ野球不滅の大記録【シーズン成績・打者編】

シーズン106盗塁を記録した福本豊氏(左)、シーズン打率.389のランディ・バース氏【写真:Getty Images、荒川祐史】

“世界の盗塁王”福本豊氏はプロ野球史上初の3桁、106盗塁をマークするなどTOP3を独占

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けプロ野球は開幕が延期となり交流戦も中止となった。これまでプロ野球界では様々な大記録が生まれたが、ここでは先人たちが残した“不滅の大記録”を振り返ってみる。現代野球では不可能に近い成績を残したのは誰なのか?【シーズン成績・打者編】

 “世界の盗塁王”が残した1シーズンの成績はとてつもない。歴代最多の通算1065盗塁の記録を誇る阪急・福本豊氏は1972年に規格外の数字を記録した。(※はシーズン記録2位)

○福本豊 122試合出場、打率.301、14本塁打、40打点、106盗塁

※1973年 阪急・福本豊 95盗塁

 福本氏はプロ2年目の1970年に75盗塁で初の盗塁王を獲得すると13年連続で盗塁王のタイトルを獲得。1972年にはプロ野球史上初の3桁となる106盗塁をマークし、史上初のMVPと盗塁王のダブル受賞。ちなみにシーズン歴代盗塁記録トップ3(3位94盗塁)は全て福本氏だ。

小鶴氏は打点、得点、塁打でシーズン最高成績、西武時代の秋山は2015年に216安打

 “和製ディマジオ”と呼ばれた松竹・小鶴誠氏は1950年に打点、得点、塁打で歴代最高シーズン記録を叩き出した。

○小鶴誠 130試合出場、打率.355、51本塁打、161打点、28盗塁 143得点、376塁打

※2001年 近鉄・Tローズ 137打点
※2001年 近鉄・Tローズ 137得点
※1949年 阪神・藤村富美男 366塁打

 この年、小鶴氏は当時日本記録だった阪神・藤村の46本塁打を更新する51本塁打をマーク。本塁打、打点の2冠王に輝きMVPも獲得。数字だけを見れば長距離砲のイメージだが50本塁打20盗塁も記録しており俊足も武器の一つだった。

 投手に比べ打者は2000年代にプレーした選手が多くシーズン記録を更新している。その中でも現在も現役としてプレーしている秋山翔吾は2015年の西武時代に最多安打記録をマークした。

○秋山翔吾 143試合出場、打率.359、14本塁打、55打点、17盗塁 216安打

※2010年 阪神・マートン 214安打

 前年の2014年は123安打、打率.259と目立った成績を残していなかった秋山だがこの年は違った。5月、6月で2か月連続で月間40安打をマーク、31試合連続試合安打など好調を維持すると9月30日のオリックス戦で5安打をマークしマートンの持つシーズン最多214安打に並ぶ。そして10月1日のシーズン最終戦で2安打を放ち新記録となる216安打を達成した。

 その他には2013年にヤクルト時代のバレンティン(現ソフトバンク)が60本塁打、1986年には阪神バースが打率.389、1993年には近鉄ブライアントが204三振とシーズン記録を達成している。(Full-Count編集部)

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