V長崎15周年<7> 攻撃的サッカー浸透 ベストイレブン選出も 2011年(JFL)

攻撃的サッカーを掲げるV長崎の中でエースとして19得点を挙げたFW有光=2011年12月13日、島原市営陸上競技場

 東日本大震災の年。3月13日に開幕するはずだったが、その2日前に起きた歴史的惨事により第6節まで延期を余儀なくされた。4月23日の第7節が初戦。イレギュラーなシーズンだった。
 こうした中、V長崎は就任2年目の佐野達監督が掲げる攻撃的サッカーが浸透。スタジアム問題から、成績の良しあしにかかわらず昇格できない戦いだったが、優勝を目標に掲げ、終盤までその可能性を残す健闘ぶりだった。最終結果は昨季と同じ5位に甘んじたものの、内容面で明確な進化の跡を残した。
 チームの総得点61は堂々のリーグトップ。けん引したのはFW有光亮太(現CAセレスト代表)だ。高校卒業後、イタリアでの武者修行を経てJリーグ(アビスパ福岡)入りした異色の経歴を持つ男は、初戦から9試合で11ゴール。残り5試合からは記録を伸ばせずに得点王の称号こそ逃したものの、計19ゴールは得点ランキング2位。30歳にしてこの年のJFLベストイレブンにも選出された。
 2007~13年の7年間を長崎で過ごし「長崎のストライカーと言えばこの人」と有光の名を挙げるファンは多い。

 


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