【新型コロナ】「銀行口座が必要なのか」 一律10万円給付、対象に路上生活者加わるも…

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失業で路上生活を強いられる人が増えてきた=横浜市中区

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策で、政府は路上生活者(ホームレス)も一律10万円の給付対象に加えた。経済停滞による失業などで路頭に迷う人が増えだしており、迅速な支援が求められる。

 「ほら、携帯電話はまだ使えるんだよ」

 コロナ禍のあおりで3月に失業した男性(56)は、東京都内の自宅を離れて今月からJR関内駅周辺に移ってきた。「派遣切りで家賃を払えなくなり、アパートを追い出された」と声を落とす。しばらくカプセルホテルでしのいだが手元の資金は尽き「きょうだいもいるけど、頼みづらい」と苦しい胸の内を明かす。

 総務省は一律10万円の給付に関し、路上生活者やネットカフェで寝泊まりする人も、住民登録している市町村での給付申請が可能とした。

 愛知県に実家がある男性は「これで家に帰れるかもしれない」と一筋の希望を見いだす。その一方で、出身地の宮城県で住民登録している男性(70)は「助かるけど、遠すぎて行けない」。また、「銀行口座が必要なのか」といった声もあった。給付の仕組みやその情報の伝え方も含め、今後の課題になりそうだ。

 生活に困窮する中高齢者らの住居、就労などを支援する「NPOさがみ」(横浜市中区)への相談や問い合わせは増加傾向といい、担当者は「急激というわけではないが、(路上生活者は)肌感覚で少しずつ増えてきている」と指摘。その上で「(給付は)一時的なもので、根本的な解決をどうしていくか」と続けた。