長崎県高総体 開会式中止 競技開催可否は先送り

選手、スタッフら約1万人が一堂に会した昨年の総合開会式。今年は長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場で予定されていた=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 県高体連(後藤慶太会長)は21日、6月5日に予定していた第72回県高校総合体育大会の総合開会式を中止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「通常開催は困難」と判断した。総合開会式の中止は、台風が接近した2003年以来、17年ぶり。
 翌6日から12日まで実施予定の各競技については「全国高校総合体育大会(インターハイ)の開催可否や、国、県の方針などを踏まえて決定する」としている。
 総合開会式は例年、県内約80校から4千人超の選手が参加。観客やスタッフを合わせると、約1万人が一堂に会する。1校ずつ入場行進を披露するほか、各校吹奏楽部による合同演奏、マーチングなど文化部員にとっても、日ごろの練習の成果を発表する晴れ舞台になっている。
 他都道府県では総合開会式を実施しない地域もある中、長崎県は大会を盛り上げようと1954年の第6回大会から60年以上にわたって継続してきた。中止は第24回、第55回の2例のみ。
 長崎、佐世保、県央の3地区持ち回りで開いており、今年の会場は長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場だった。選手宣誓、歓迎の言葉、マーチングなど例年同様の式次第を用意して、長崎地区の各校に協力を依頼していたが、16日に緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されるなど事態の収束が見込めないため、中止に踏み切った。
 すでに都道府県の高総体やブロック大会の中止が相次ぎ、インターハイの代表選出が困難になっている地域もある中、全国高体連は月内にインターハイ開催の可否などを検討する見通し。長崎県高体連の岡崎天一理事長は「全国高体連の動向は判断材料の一つになる。ただ、仮にインターハイが中止になっても、そのまま県高総体の中止を決定するものではない」と慎重な姿勢を見せている。

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