ガソリン販売大幅減 コロナで外出自粛、逆風に

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が、北陸の給油所の経営を直撃している。車での移動が減り、4月の販売量は前年同月比4割減となった企業もある。特に、通勤、営業で利用される幹線道路沿いで落ち込みが激しい傾向がみられ、関係者からは「コロナが終息しない限り、崖っぷちの経営だ」との声が漏れる。

 「いつもゴールデンウイーク(GW)は書き入れ時だが、今年の見通しは暗い。10連休だった昨年からえらい落差だ」 金沢、能登地区で給油所8店を展開する丸一石油(金沢市)の担当者は先行きの厳しさを強調した。

 同社の4月1~21日のガソリン販売量は前年同期比4割減となっている。石川県の緊急事態宣言が出た13日以降は5割減とさらに落ちており、GW期間は5割を割り込む可能性もあるとみる。

 北陸で20店を構えるカナショク(金沢市)も販売量の減少に見舞われている。国道沿いの店舗は、在宅勤務の拡大や営業活動自粛の動きから3割減と影響が大きい。一方、住宅地に近い店舗は日常のマイカー利用もあり15%減にとどまる。

 22日時点で同社の現金価格は1リットル当たり平均119円。販売単価、仕入価格とも下がっているため、利益率は大きく悪化していないが、売り上げの減少は深刻だ。

 同社は一部の店舗で営業時間の短縮を検討し、経営の効率化に努める。担当者は「重要な地方のインフラ事業なので簡単に休業はできない」と語った。

 ガソリンの需要減少の一方、在宅勤務の拡大で自宅の暖房用に灯油の販売は伸びている。カナショクでは、4月の販売量が前年同月比2割増で推移しているという。

 富山石油グループ(富山市)は、GW期間に全43店のうち一部店舗で時短営業や全面休業を検討する。4月は前年同月比で1割強減少しており、特に国道41号沿いの店舗はトラックの通行量が減って落ち込みが著しいという。

 富山県でガソリンスタンド17カ所を展開するSHIMARS(シマース、射水市)では、4月のガソリン販売量が前年同月比で2割減となった。富山県石油商業組合の理事長を務める島竜彦社長は「低迷が長引けば廃業を考えるスタンドが出てくるだろう」と懸念を示した。

 経済産業省が22日発表した20日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの現金価格は石川が13日時点の前回調査と比べて60銭安い128円10銭、富山は90銭安の126円90銭となった。

 全国は1円安い130円90銭だった。13週連続の値下がりで、2017年7月の調査以来、2年9カ月ぶりの安値水準。家計には恩恵となり得るが、外出自粛が長引けば効果は弱まりそうだ。

 調査した石油情報センターによると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の停滞懸念と需要の減退から原油相場が下落し、小売価格に反映された。センターは、来週も値下がりが続くと予想する。

 担当者は、中長期の見通しについて「新型コロナの終息時期は不透明で、外出自粛や移動制限のため自動車や航空機の燃料需要は減り、工場の稼働停止も相次いでいる。中東情勢が不安定化するリスクを踏まえても、下落傾向は当面続くのではないか」と話した。