サイン盗み疑惑 Rソックスにドラフト指名権剥奪などの処分

日本時間4月23日、メジャーリーグ機構は2018年のレッドソックスのサイン盗み疑惑についての調査結果を発表し、映像を不正に利用したサイン盗みが部分的に行われていたと断定した。これに伴い、ビデオリプレイシステムのオペレーターであるJ・T・ワトキンスには1年間の職務停止処分が科され、レッドソックスは今年のドラフトにおける2巡目の指名権を剥奪された。また、前監督のアレックス・コーラにも1年間の職務停止処分が科されたが、これは2017年のアストロズの不正なサイン盗みにベンチコーチとして関わっていたことに対する処分であることが明言されている。

ロブ・マンフレッド・コミッショナーは調査報告書のなかで、ワトキンスが映像を不正に利用してサイン盗みを行っていたことを明らかにした。ただし、選手たちがリアルタイムに情報交換をしていた2017年のアストロズのケースとは異なり、当時の監督であるコーラやコーチ陣、大半の選手は情報が不正に入手されたものであることを知らされておらず、また、不正に入手された情報が使用されたのも走者が二塁にいる場面(全打席におよそ2割)に限られていたという。

この結果、ワトキンスには1年間の職務停止処分が科され、2021年シーズンも同職の業務につくことは禁止された。また、ドラフト指名権は2巡目のみが剥奪されることになったが、今年のドラフトは規模が縮小される可能性が高く、マンフレッドは指名権を1つ剥奪するだけでも十分な効果があると考えているようだ。また、コーラについては2017年のアストロズの不正なサイン盗みに関わっていたことへの処分が科されることになった。

これを受けてレッドソックスは、組織としてルールの遵守に努めていたこと、チームの大半は不正行為に関わっていなかったことを前置きしつつも「不正行為は容認できるものではありません。ファンとメジャーリーグ・ベースボールに謝罪し、コミッショナーの裁定を受け入れます」との声明を発表した。

なお、レッドソックスはサイン盗みに関する処分が発表されるまで暫定監督となっていたロン・レネキーが正式に監督に就任したことを発表。契約期間は1年間であることが明らかにされている。

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