「おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~」が国際的メディアコンクールで銀賞受賞

フジテレビ系のドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」(日曜午後2:00)で2019年6月2日に放送された「おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~」が、国際的メディアコンクール「ニューヨーク・フェスティバル」でドキュメンタリー・宗教哲学部門の銀賞を受賞した。

1957年に発足した「ニューヨーク・フェスティバル」は、テレビ番組・映画・ラジオ・広告・インターネットなどあらゆるジャンルの映像作品を審査・表彰する国際的なコンクール。今回は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けて、授賞式は行われず、ウェブサイト上で動画を公開するスタイルでの発表となった。50カ国から多数の作品のエントリーがあり、優秀作品に金賞・銀賞・銅賞などが授与された。

「おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~」は、かつて“平成の駆け込み寺”と呼ばれ、非行や虐待、いじめ、薬物依存など、さまざまな理由から親元で暮らせなくなった子どもたちの居場所となった小さな寺が舞台。バイク窃盗を繰り返し、13歳で少年鑑別所に送致される寸前だったショウと、“九州の中学生ヤクザ”と異名を取るほどだったタクマ。カメラはこの寺で壮絶な思春期を過ごした2人の11年間を追った。

子どもたちから“おじさん”と呼ばれ、“第2の父親”のような存在だった寺の住職・廣中邦充さんは、肺がんに冒されながらも強靱(きょうじん)な精神力で病と闘い、最期まで子どもたちに手を差し伸べ続けた。番組では、そんな熱血和尚と悩める子どもたちの心の触れ合いを描いている。

番組を制作した西村陽次郎チーフプロデューサーは「昨年(『ザ・ノンフィクション 父を殺した母へ~無理心中から17年目の旅~』)の銅賞を上回る銀賞の受賞。世界中から作品が集まる『ニューヨーク・フェスティバル』で『ザ・ノンフィクション』が高く評価されたことをうれしく思います。今後もこうした“人間が生きる上での普遍的なテーマ”にカメラを向けて、番組を作っていきたいと思います」とコメント。

取材・構成・演出の八木里美氏は「令和となった今も、虐待や子どもの自殺の数は増える一方です。命を賭して子どもたちと向き合う廣中さんの姿が、“今もどこかで悩み苦しむ子どもたちを救う一助になれば”という思いで制作を続けてきました」と語っている。

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