元ウイリアムズF1のバリチェロ「チームは金銭面で間違った決断を下して進み続けた」と主張

 元ウイリアムズのF1ドライバーであるルーベンス・バリチェロは、ウイリアムズが資金を増やすために優先的にペイドライバーに頼ってきたのは結果的に間違っていたと述べている。

 ウイリアムズはこれまで144回の優勝を達成しており、F1でフェラーリとマクラーレンに続き史上3番目に成功したチームだ。しかし2018年以降深刻なスランプに陥っており、ドライバーは常に下位を走っている。今のところ最後の優勝は、2012年第5戦スペインGPでのパストール・マルドナドの優勝となっている。これは、2004年の最終戦ブラジルGPでの優勝から8年後のことだった。

 この10年でリザルトが低迷するなか、フェリペ・マッサやバルテリ・ボッタス(現メルセデス)のようなドライバーが大半のポイントをもたらす一方で、チームのドライバーラインアップには常にペイドライバーが含まれていた。

 2010年と2011年にウイリアムズに所属していたバリチェロは、とりわけマルドナドやルーキーのランス・ストロール、セルゲイ・シロトキンらが含まれるチームのペイドライバー方式は、利益よりも不利益をもたらすことになったと考えている。

「残念なことに、この10年間の話題は金銭的な面が多かった」とバリチェロは『Rusty’s Garage』ポッドキャストで説明した。

「ドライバーに支払う代わりに、彼らは現金を受け取って生き延び、それが良い考えだと思っていた」

「だがウイリアムズが今どこにいるかを見れば、彼らが当時金銭面で間違った決断を下し、そのまま進み続けたのだと分かる」

 限られたリソースと厳しい予算を考えると、ウイリアムズはおそらく何年にもわたって山積みの現金に支えられたドライバーを優遇するしか選択肢がほとんどなかったのだと言えなくもない。

 今年ニコラス・ラティフィがウイリアムズのシートを掴んだが、彼の父親であるマイケル・ラティフィが所有するカナダの大企業『ソフィーナ・フーズ』に支えられている、というのは秘密でも何でもないことだ。

 これまでのところラティフィは、モータースポーツにおけるキャリアで非常に有能な若手ドライバーであることを示してきたが、彼がF1でどれほど優れたドライバーになるかどうかは、時間が経たなければ分からない。

 ウイリアムズでの日々を思い返したバリチェロは、チームから離脱した彼の後任がマルドナドに決まったことは、チームでの最高の思い出とは言い難いと認めた。

「あのマシンに乗っていないこと、特に彼らがスペインGPで優勝した時、自分がそこにいなかったのはつらいことだった」

2011年F1第14戦シンガポールGP ルーベンス・バリチェロ(ウイリアムズ)

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