クルーズ船乗組員の行動 情報を収集・提供 長崎市が対応チーム

 長崎市香焼町の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊中のクルーズ船コスタ・アトランチカ船内で新型コロナウイルスの集団感染が発生したのを受け、市は23日、情報の収集と市民への提供を担うクルーズ船対応チーム(職員3人)を地域保健課内に設置した。
 一部の乗組員が県の自粛要請を受けた3月中旬以降も乗下船していたことが判明し、市中感染に対する市民の不安が強まった。三菱重工は、船会社コスタ・クルーズ(イタリア)に乗組員の行動歴を照会している。
 田上富久市長は23日の定例記者会見で「今週中にもひとまず(三菱重工から市に)報告があると思う」との見通しを示した。三菱重工は取材に「事実確認を急いでいる」としている。
 市のチームは、この情報を基に交通機関や立ち寄り先に聞き取り、乗組員の外出や市民との接触の実態を調べる。二次感染リスクの専門家の意見も含め、市長は「正確に早く市民に情報提供したい」と述べた。市は、香焼工場の近隣住民に現状報告する場を設ける方向で三菱重工と調整中。
 市は、乗組員を乗せたタクシー会社の配車記録を調べ、必要に応じて乗務員にPCR検査を実施する。このうち1社は15人が対象となり、検査を受ける予定という。


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