新型コロナ関連、「うなぎボーン」製造のカネキ水産が民事再生

 カネキ水産(TSR企業コード:134000056、榛原郡吉田町川尻3138-31、代表者:松下金吾氏)は4月3日、静岡地裁から民事再生開始決定を受けた。監督委員には幸山秀明弁護士(静岡富士法律事務所、静岡市駿河区八幡2-4-16、電話054-288-7321)が選任された。
 負債総額は約6500万円。

 1980年に創業。当初は地元吉田港で水揚げされるシラスの加工業を手掛けていたが、養鰻業が盛んでウナギの骨等が入手しやすい環境を生かし、「うなぎボーン」の製造に業態を転換した。商品は地元の名物として知られ、土産物とされることも多く、高速道路のサービスエリアや駅の売店などでも扱われていた。
 ここ3年間は売上高約5200万円で推移していたが、売上は夏場に集中するなど繁閑の差が大きく安定しないうえ、近年は衛生面などから設備のステンレス化を迫られるなど資金負担も増大していた。
 資金繰りが逼迫するなか、2019年には金融機関から借入の返済計画見直しなどの支援を受けていたが、単独での事業継続が難しいとの判断から、2019年末頃より法的手続きを視野に入れた再生計画を検討していた。
 こうしたなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け受注量が一層落ち込み、今回の措置となった。
 今後は、従来からの取引先で土産物の製造・販売を行う(株)敷島屋(TSR企業コード: 450017877、法人番号:7080401002201、浜松市西区)がスポンサーとなり、別途設立した新会社が事業を引き継ぐ予定。

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