スカイディスク、検品業務を効率化するAI外観検査機ローコストパッケージを提供開始

製造業を中心にAIサービスを提供する株式会社スカイディスクには、これまで人が目視で良否を判断する検品・検査工程の業務効率化について多数の問い合わせがあった。しかし、具体的に案件を進めていくと「画像データがない」「データはあるけれどAIで判断できるものになっていない」ことが、AI導入のハードルとなることが判明した。これまではデータを取得するために専用機器の開発を提案してきたが、長期間・コストの負担が大きく、業務効率化の実現まで至る顧客は僅かだった。そこで、スカイディスクは検品業務を効率化するAI外観検査機ローコストパッケージの提供を開始した。同パッケージは、合同会社シナプスギヤが開発した外観検査機とセットになっており、検品作業の効率化に適した学習データの取得からAI開発までを提供する。外観検査機は、画像データからAIが特徴を抽出することを前提に開発されており、外観検査機のハードウェアは、安定した環境での画像撮影とAIによる判定結果の投影が可能だ。例えば小型の金属パーツやプラスチックパーツ等の検品業務においては、これまで人が行っていた目視でのチェック作業をAIで自動化し、人が検品対象(ワーク)のセットと判定結果の確認を行うことで半自動化を実現する。判定結果が作業者をアシストすることで、経験がない作業員でもより正確な検品が可能となる。また、画像撮影の仕組みとAIプラットフォームとの接続を利用して、簡易にPoCを実施できる。取得画像データがない顧客でも、短期間で評価を始めることができる。

材質による色のバラつきを許容して汚れを検出、模様を無視してキズを検出(画像はイメージ)導入手順は以下の通り。

1. 顧客環境にAI外観検査機を納入。
2. 学習用データを取得。目安としてOK品300個、NG品100個を取得する。
3. 取得画像データにOK・NGをラベリングする。
4. スカイディスクが評価用AIモデルを作成、実装する。
5. 評価用AIモデルを用いて精度検証を行う。
6. 開発したシステムを用いて運用を行う。

今回、製造業でのデータの扱いを得意とするスカイディスクがシナプスギヤのハードウェアを取り扱うことで、学習データの取得からAI開発までを一貫して実施できる体制を構築した。また、ハードウェア上で動作するAI開発をパッケージ化して提供することで短納期・低コストでのAI外観検査機の現場導入を実現した。納期はおよそ3カ月としており、外観検査機の費用は400万円~で、AI開発費用は150万円~である(データ数の目安としてOK品300個、NG品100個の標準AI学習モデルを作成する費用)。また、スカイディスクは導入判断が難しい顧客向けに「簡易レポート診断サービス」を提供している。本格導入前に、今の環境でAIによる外観検査が有効かどうかをスカイディスクが調査し、デジタルカメラ等で撮影した検品対象の画像から検出したい特徴を捉えられるかを調査レポートとして提出する。同サービスの利用料は50万円だ。

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