見切り・値引き品はお得?値引き品の賢い買い方

見切り品… スーパーマーケット愛用者にとって嬉しい響きだ。
赤や黄色のラベルで示された割引率や値引き価格。
決して余裕があるとは言い難い庶民にとっては見過ごせないものだ。

色々と苦しい状況が続く中、今回は見切り品について考え、少しでも家計の負担を軽減していこう。

そもそも、見切り・値引き品とは?

見切り・値引き品とは、売れ残りの品を値下げして販売するものだ。

値引き品の代表的なものはスーパーの食品。
出来合いのお惣菜や肉・魚。野菜や果物は賞味期限が近い。

これらは、一定時間が経過してしまうと見た目や風味が劣化し、美味しくなくなる。
また、更に時間が経過すると不味いどころか劣化・酸化・腐敗を起こすため食べられなくなり、廃棄せざるをえなくなる。
そういった事情から、基本的に総菜系や魚などは当日に売り切るスタイルがメジャーだ。

本来なら通常の売価で買って欲しいのが店舗側の本音だが、それでも廃棄するよりはマシであるため、泣く泣く値引きシールを貼りつけることになる。

常温保存可能な食品や、腐ることのない日用品などでも、売り場の配置換えや在庫処分の見切り品として、安い値段がつけられワゴンセールになっていることもある。

見切り・値引き品のタイミングや相場

値引きには、1割~半額といった段階がある。
賞味期限の近い生鮮食品・総菜系は夕方から閉店にかけて値引きが始まることが多い。

見切り品は、それぞれの旬・シーズンが終わる前に商品入れ替えや整理のため売られることが多い。

傾向としてはやはり不人気商品というか、元値が高め、いまひとつ親しみが持たれないタイプの商品が見切り品として整理される傾向がある。
また、誤発注やイレギュラーが起こることによって突発的なセールが行われる場合もある。

いずれも経営上の判断からなされる値引きであり、本来であれば通常の売価で売れて欲しいのが店舗側の気持ちであることは言うまでもない。

見切り・値引き品の買い方

見切り・値引き品を買う際には、気をつけるべき点がある。

生鮮食品系は特に注意したいところだが、基本的に見切り・値引き品は「新鮮ではない」。

そのため、すぐ使い切る・あるいはすぐ冷凍保存できるものを買うことが強く推奨される。

魚介系:臭いがないか、切り身は色がくすんでいないか、帰ってすぐに調理するプランがあるか

精肉系:くすんでいないか、ドリップ(肉汁)が出すぎていないか

野菜:包装の中に水気が出ていないか、痛みすぎてないか

これらの基本的なポイントを見て、納得の上で購入しよう。
特に家族がいる人の場合は、家族がおいしく食べられるような状態の食材のみを選ぶようにしたい。

「安くて買ったはいいものの、使い道が分からない」
「美味しそうなレシピが思いつかない」

そういった場合には、食材名から検索することができる無料のレシピアプリなどを活用するのがおすすめだ。
案外、思いもよらないような食材でもデータが見つかったりするので大助かりだ。

見切り・値引き品を買うデメリット

基本的に食品の場合、鮮度は落ちるため、おいしさでは劣る。
また、買ったら出来るだけ早く食べないと腐敗・劣化し健康を害してしまうおそれもある。
自分が買うとより貧しい人の分をとってしまう

値引き品に頼りすぎると定価が高く感じてしまうという声が報告されており、また逆に、安くなっているからという高揚感に押されて不必要な分まで余分に買ってしまうという人もいるようだ。

生鮮以外の商品では、そもそも人気がないから売れ残る(=買ってもおいしくない可能性が高い)という傾向があるため、安く買えても想像と違う内容だった、というリスクもある。

見切り・値引き品を買うメリット

まず間違いなく家計にやさしい。安く買えるのだから当然だ。

また、一応店が廃棄しなくてすむという利点もあるにはある。

現代日本では、廃棄となった食品はいくら食べられる状態のものであっても人が食べてはいけないことになっている。食べたり持ち帰ったりすると、それは着服であり横領ということになるのだ。

そう考えると、食べられる状態のものを廃棄するという社会システムの闇を回避するためには、何でもいいから買われることが重要となる。

見切り品・値引き品につられすぎると誰もが損をする

日本の景気が悪くなったと言われて久しい。

そんな世の中、日々の出費は1円でも10円でも切り詰めたいのが生活者としての切実な気持ちだ。
とはいえ、見切り品・値引き品を毎日、目を皿のようにして漁ることにはデメリットも大きい。

基本的に、人間が食事をするのは、適切な栄養補給のため。そして食品の味を楽しむためだ。
食べ物は新鮮なほうが栄養も損なわれず、そしておいしい。

たとえ家計が苦しいといっても、冷え切って油の酸化した揚げ物ばかり食べていれば、体に悪影響が及び、日々の生活の質や仕事のパフォーマンスが低下する。
場合によっては、生活習慣病を加速させ、お金で買うことのできないかけがえない健康さえ失ってしまう可能性がある。

金銭感覚が貧乏性になることも問題だ。

値引き・半額の商品を買うことが当たり前になると、決して高くないはずのスーパーの通常価格が高く感じられてしまう。

そして、閉店間際などを狙い、ハイエナのように値引きシールのタイミングを待つ見苦しい人間性になっていってしまう。
当然、そんなことばかりしている客は店員からも良い顔はされなくなる。

適切な価格はいくらなのか。安く買うことがそれほど自分にとって必要なのか。

今一度、買い方を見直してみることも大切かもしれない。

(文/ニジクマノミ

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