長崎停泊クルーズ船 感染43人増91人に 

コスタ・アトランチカ

 長崎県は24日、長崎市香焼町の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊しているクルーズ船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍・8万6千トン)の船内で、新たに43人の感染を確認したと発表した。これで船内の感染者は計91人となった。うち1人は重症化し同市内の指定医療機関に入院。他の90人は軽症か無症状で船内の個室にいるという。
 県によると、23日、船の運営に従事する「エッセンシャルクルー」68人を含む208人の検体を採取。24日未明から長崎大熱帯医学研究所の迅速検査装置で感染の有無を調べ、陽性43人、陰性164人、再検査1人だった。陽性者のうちエッセンシャルクルーは13人で、うち6人が安全管理部門、7人がエンジン部門だった。
 県はこれまでに623人の乗組員のうち335人を検査。24日に残りの288人の検体を取り終え、25日に全員の検査結果を明らかにする方針。
 中田勝己福祉保健部長は「感染者は最終的に少なくとも100人を超えるだろう」との見通しを示し、「今後の療養支援態勢をどう構築するかが大きな課題」と述べた。現在、船所属の医師1人と看護師4人が船内で対応しているが、中田部長は「陽性、陰性の全体像を踏まえて必要な医療人材の数などを精査したい」とした。また国立感染症研究所の専門家ら3人が24日に船内に入り感染防御態勢を確認したという。

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