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NHK・Eテレの番組『バリバラ』がネットで大炎上しました。
『バリバラ』は、様々な障碍者自身が出演し、色々な障碍や差別問題をテーマに取り上げ、等身大の姿そのままに「可哀そう」といった同情を求めるのではなく、積極的に「笑い」を取り入れながら問題を探っていく番組です。
毎年、放映されている『バリバラ』の『24時間 愛の不自由』は、日本テレビの『24時間テレビ 愛は地球を救う』への“アンチテーゼ”として、多くの視聴者から<攻めている>と“好評”を博しています。
その『バリバラ』がなぜ、ネットで炎上したのでしょうか?
それは、4月23日(木)に放送された『バリバラ桜を見る会~バリアフリーと多様性の宴 第1部』の内容があまりにも「反政府的すぎる」という理由。受信料を取る「公共放送で流していいのか」という“苦情”が殺到しているのです。
実際にリアルタイムで視聴していなかった人も、『バリバラ』の公式ツイッター上で流れていた予告編に反応したようです。
今回の番組では、現実で大きな問題となっていた「桜を見る会」をパロディ化。安倍首相や麻生財務大臣など、政府首脳をモノマネしたり、招待者リストをシュレッダーにかける様子を演出したり、また、その「招待客」には“多様性の推進に功績のあった方々”として性犯罪被害者の当事者であるジャーナリストの伊藤詩織さんらが登場しています。
基本的には、色々な障碍者や様々な国籍の人たちが番組を支える、いつも通りの<攻めている>作りなのですが、今回は<攻めすぎた>のかもしれません。
ネット上やSNSは、こんな言葉で溢れています。
<こんなもんに受信料なんか払えるか!>
<NHKなめとんのか? 反政府番組じゃないですか!>
<どこが中立な放送なんだよ! 偏向にもほどがあるだろ!>
なかには、<よくぞ、やってくれた! 最高!>といった声も聞かれますが、少なくともネット上においては、批判一辺倒といっても過言ではないでしょう。
ただ、気になるのはいつもこの『バリバラ』を楽しみにしていた視聴者や、障碍者自身からも疑問の声が出ていることです。
<障碍者を盾にすれば、何をやっても許されるんですか?>
おそらく、「障碍者」の番組だからこそ、この内容を作れたし、放送できた…といった制作陣の思惑が透けてしまったのかもしれません。
くわえて、このコロナ禍でも変わらず受信料を取り続けるNHKの根本的な評判の悪さも関係しているでしょう。
<出演料や制作費にいくらかかったか全部開示してください!>
そんな声まで聞こえてきます。
たしかに、現実の「桜を見る会」での安倍首相や昭恵夫人を取り巻く一連のスキャンダルに怒っていた国民は多いでしょう。
とはいえ、このコロナ禍で、国民の多くは「それどころじゃない」という状況になっています。
そこで、変わらず高収入をもらい続けるNHKの制作陣が、そんな世間の感覚と<ズレたところを攻めている>ことに憤りを感じた人も多いかもしれません。
コロナ以前であれば、この番組内容に対して、批判的な感想と同じくらいの賛同意見があったと思われます。
しかし、今回に限っては、誰も止めることなく、一方的に叩かれ続けるだけのような気もします。
4月30日(木)には「第2部」が放送されます。
はたして、この騒動の行方はどうなるのでしょうか。(文◎編集部)