23日に38歳の誕生日を迎えた元ブラジル代表MFカカ。
ミランとブラジル代表で一時代を築いた彼は、メッシとクリスティアーノ・ロナウドの2強時代が幕を開ける直前の「世界最高プレーヤー」だった。
今回は、そんなカカの“再来”と言われた選手たちとその現在を特集してみよう。
オスカル(上海上港)
カカと同じ名門サンパウロの下部組織で育ち、天才的な技術を持ちながら実用的かつ効率的な選択をできることから後継者と考えられたオスカル。
その評判通り2011年U-20ワールドカップで優勝、2012年ロンドン五輪で銀メダルを獲得し、同年夏にチェルシーへ。セレソンでも主軸となり、カカ同様に輝かしいキャリアを築くかと思われた。
しかし母国で開催された2014年ワールドカップで戦犯の一人に。その後は急速に存在感を失い、2017年、巨額の移籍金で中国へ渡っている。
ルーカス・パケタ(ミラン)
2018年のブラジル全国選手権でベストイレブンに輝き、2019年1月にミランと契約を結んだ攻撃的MF。
彼はフラメンゴの下部組織出身でカカとは違う左利きであるが、若くしてミランに移籍した経歴から“カカの後継者”として一躍世界にその名を知られることとなった。
しかし移籍以降、チームの混迷もあり精彩を欠いており早くも退団が囁かれている。
ニウマール
あどけなさの残るベイビーフェイスと傑出したスピードからカカと比較されたのがニウマールだ。
彼はカカに比べると完全な“受け手”のストライカーだったが、2003年のワールドユースで母国を優勝へと導き、その後、フランスの名門リヨンに移籍した時点までは間違いなく出世コースを歩んでいた。
しかしその後はやや伸び悩むことに。2010年のワールドカップには選出されたものの代表では大きな足跡を残せず、サントスに所属した2017年に鬱病を発症して以降は無所属となっている。
ドゥトラ(清水エスパルス)
かつてロアッソ熊本にはファビオというカカそっくりの選手もいたが、実力やプレースタイルを考えれば彼を取り上げるのが相応しいだろう。
2010年に京都サンガと契約した無名のブラジル人は、スピードとフィジカルを生かしたドリブルから「カカ2世」と呼ばれることに。
その後、鹿島、ベルギーのロケレン、中東のアル・アラビ、アル・ナスルなどを渡り歩き、2019年夏に清水と契約。再び日本でプレーすることとなった。
ルーカス・ピアゾン(リオ・アヴェ)
ブラジルのユース代表でエース的な存在だったルーカス・ピアゾンは、近年で最もカカに近かった選手かもしれない。
10代にしてチェルシーに引き抜かれたこの天才アタッカーは、長身で端正な顔立ちをした攻撃的MF/FWであったことから“カカの後継者”と絶賛され、誰もがその才能を信じて疑わなかった。
しかしその神童は2020年現在、A代表にさえ到達できていない。チェルシーに加入して以降ほぼ毎シーズン別クラブにローンされており、今季はポルトガルのリオ・アヴェに所属している。