珍鳥ブロンズトキ 五島に飛来 金属光沢帯びる羽

水田の上を飛ぶブロンズトキ=五島市内(吉田さん撮影)

 長崎県五島市福江島の水田に、国内で観察されるのは非常にまれなブロンズトキ(トキ科)が飛来したのを、同市の鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター職員で日本野鳥の会県支部会員の出口敏也さん(56)が発見した。市内では初確認。知らせを受けた愛鳥家らは、金属のような光沢のある美しい翼を写真に収めた。
 出口さんによると、国外では南アジアやアフリカ、オーストラリアなど広範囲に生息。大きさは、一般的に見られるコサギ(全長約60センチ)と同じか、やや小さい。全身が赤褐色で、繁殖期になると羽が金属光沢を帯び、光の当たり方によって緑や紫に見える。県内では、長崎市に少なくとも1回飛来した記録がある。
 出口さんは16日、五島市富江町の水田に降り立ったブロンズトキを発見。落ち着いた様子で歩き回り、餌を捕っていたという。同市の上田浩一さんや吉田竜成さんら愛鳥家にも知らせ、姿が見えなくなる20日まで観察や撮影を続けた。
 出口さんは「こんなに珍しい鳥がやって来るとは驚いた。日光が当たるととても美しかった」と振り返った。

水田で餌を探すブロンズトキ=五島市内(上田さん撮影)

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