ジモトサポート

 いくつも並んだ窓口には、飛沫(ひまつ)感染予防のためのビニールシートが取り付けられていた。長崎市にある十八銀行本店。県民が外出を控えている影響はここにも及んでいるのか、想像をしていたよりも閑散としていた▲十八銀行と親和銀行(佐世保市)が10月1日に合併し「十八親和銀行」が誕生するまで半年を切った。店舗の統合や両行の英語表記の頭文字を使った「JS」というシンボルマークも決まった▲4月からは総合企画部や営業推進部・営業統括部などの一体運用が始まった。準備や行員の融和がどれほど進んでいるのか気になるところだが、今は新型コロナへの対応が目の前にある▲総合企画部広報室によると、宿泊業や小売業、飲食業、建設業などから融資や返済に関する切実な相談が増えているという。感染拡大を防ぐため、行員が企業を訪ねる際は細心の注意を払っているそうだ▲一方で人を集めた研修ができないなど、合併の準備には支障が出ている。課題となるシステム統合をスムーズにできるのか、不安も残る▲先月末、退職が決まっていた親和銀行の幹部に挨拶をした際、シンボルマークについてある解釈を教えてくれた。「『ジモト サポート』」の略なんですよ」。「地場企業支援」優先で奔走する行員の姿に、彼の言葉が重なる。(明)

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