高校総体中止「悔しい」「心に穴」/代替大会望む声/インターハイ相撲会場の十和田市「大打撃」

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昨年の青森県高校総体で輝いた選手たち。集大成の舞台が消えたことに、多くの高校3年生たちから落胆する声が相次いだ(写真はコラージュ)

 多くの高校3年生にとって、集大成となる「最後の夏」が消えた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い全国高校総体(インターハイ)中止が決まった26日、青森県高校総体の取りやめも正式に決まった。「悔しい」「残念」。出場を目標にしていた高3選手からは、代わりの大会・試合の開催を望む声が聞かれた。

 「これまで頑張ってきたのに、努力が報われないなんて」。十和田市の男子陸上部員は、そう悔しさをにじませた。

 高校1年のときは順調に記録を伸ばしたものの、2年では脚のけがに悩まされ県総体にも出場できなかった。今年に入りけがも完治。自宅待機が続く中、開催を信じて毎日1時間、自宅でトレーニングに励んできた。「仕方がない」と思う半面、何のためにここまでやってきたのか、というやるせなさが残る。

 津軽地方の女子陸上部員は「この事態を受け入れるしかない」。昨年に続くインターハイ出場を目指し鍛錬してきたが、その夢もかなわない。青森市の男子バレーボール部員は「先輩たちが残した結果を塗り替えようと、頑張ってきたのに…」と肩を落とした。

 「目標がなくなるかもしれないが、やれることをやろう」。青森市の男子バスケットボール部員は先日、顧問の先生にそう言われたという。その言葉が現実となり「今は心に穴があいたような気分」と胸の内を明かす。「小学校から数えて通算9年間、バスケを続けさせてくれた両親に、感謝の気持ちをプレーで伝えたかった」と無念そうに話した。

 サッカーやラグビーなど秋冬に主要大会を残す競技もあるが、大学入試を控える3年生が県総体を機に引退するケースは多い。取材に応じた生徒たちからは「引退試合を設けてもらえないか」という切実な声が相次いだ。

 「今回の決定で引退の時期があやふやになってしまった。どんな形でもいいから、やれればいい」と八戸市の男子剣道部員は本音を漏らす。青森市の女子バレーボール部員は「はっきりとしない形の引退は嫌。最後の試合に臨んでから受験勉強に挑みたい。推薦など準備に入る人もいるので、なるべく早めにしてほしい」と願いを口にした。

 保護者だけでなく、指導者も生徒の心情をおもんぱかる。青森北高校陸上部の楠美雅行監督(45)は「どう声をかければいいのか。仕方がない、では済まされない」と頭を抱える。「けがから復帰し、去年の秋から調子を伸ばしてきた子もいる。評価の場がなくなることで、いろいろな面で影響が出てくるかもしれない」とそれぞれの進路についても心配した。

▼「十和田にとって大打撃」/相撲会場を準備/地元関係者落胆

 インターハイで相撲競技の会場となっていた十和田市から、中止を残念がる声が上がった。

 「われわれ以上に、当事者である選手たちが残念に思っているだろう」。県相撲連盟の櫻田一雅会長はこう話し、選手たちを気遣った。

 相撲は濃厚接触が避けられないスポーツ。青森県をはじめ全国の選手たちは稽古に打ち込めない状況が続いている。集客による経済効果も期待できる一大イベントだっただけに「事業者をはじめ、市にとっていろいろな面で大打撃になる」と懸念を示した。

 インターハイ後に予定していた大学選抜大会の開催可否についても今後話し合うという。

 大会実行委員会会長を務める小山田久市長は「開催市として大会成功に向けた準備を進めてきたが残念。この難局を乗り越えるために必要な決定だったと思う」とコメントした。