小海の植物 染めごよみ(66)

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文/四反田有弘 「草木染の会」主宰 森林インストラクター

《ハーブ染でコロナウィルスをぶっ飛ばせ!!》
ハーブはラテン語で「herba」を語源とし「草」「薬草」を意味し、そして「自生植物」であること、野生のままの瑞々しい力に溢れた植物である事です。ハーブの歴史は古く、古代エジプト文明時代に遡ります。ピラミッド造りの奴隷たちにはオニオン、ガーリックが与えられその労働のエネルギーに、ミイラ作りに防腐剤として大量の没薬(和名…モツヤクジュ)が使われて、ミイラの語源は没薬=ミルラmyrrhaであると云われる。また遺体をシダーウッド(ヒマラヤスギ)の香油に浸したリネンの包帯に巻くことで、永遠に守られるものと信じられてきた。中世では、カトリック修道院内に薬草園が作られ、修道僧が人々の治療に当たり「花の香の水」「薬用のリキュール」などの修道院内の秘蔵品も作られた。こうして薬草の心得を持つものも増え、病人の手当てもされた。ペスト(黒死病)の蔓延を防いだのもハーブの知識とされ、セージ、ローズマリーなどの酢に漬けたものを飲用や、身体に塗布することで感染を防いだとされる。こうしてハーブの知識のお蔭で病気や傷が治ることの神秘、その神秘さゆえに祭事に権力者が利用した。中世ではハーブの知識に詳しい人やハーブを魔除けとして使う知識を持つ人を尊敬を込めて魔女と呼んだ。Witch(魔女)=Wiseーwoman(賢女)。やがてキリスト教会が反キリスト者として魔女を迫害する「魔女狩り」へとつながることになる。
現在でもハーブ茶(薬草茶)、殺虫剤、殺菌剤、香油、香水、保健薬などと有用されています。
古代に始まった草木染の多くは漢方の生薬であり、内服して効果のあるものが染料として残ったようで「色の始まりは薬草である」。産着は昔から藍染の青、黄檗・鬱金の黄、紅花染の赤でした。それらは殺菌作用があり肌に優しく、虫除けにもなっていました。正に「草木染は着る漢方薬」と云えます。私たちの身近にも和のハーブがあります、それは春一番に萌え出す山菜です、蕗の薹、蓬、こごみ、わらび、薇、あけび、仏の座、芹など。これらを染めて身に纏って力を頂きましょう。