【新型コロナ】自治労神奈川県職労、組合員に給付金10万円の寄付提案 「休業者支援に」

自治労県職労の掲示板に張り出された給付金10万円の寄付を提案する号外=県庁

 新型コロナウイルスの感染拡大で政府が国民に一律支給する現金10万円を巡り、連合系の自治労神奈川県職員労働組合(組合員約500人)は、組合員や県職員に対し、県に寄付するよう提案した。「収入が激減した休業者の支援は急務」として県に基金の創設などを要請する。

 自治労県職労は24日付で号外を発行。「給付金をどうするかは当然、個人として判断すべきこと」と断った上で、「働く仲間を支えるために、給付を受けた上で県の協力金などの原資に寄付することを呼び掛けます」とした。

 幹部は取材に「明日の生活にも困っている労働者がいる。協力金は金額が十分ではなく、自由な意思で寄付することができないかと考えた」と話している。

 これに対し、全労連系の県職員労働組合(同約1500人)は27日、自治労県職労の提案について「新型コロナ対策に全庁で対応中の職員に水を差す」などとし、「給付金の受給や使途は個人の判断に委ねるべき」との見解を発表。幹部は取材に「労働者を守るべき労組が知事に成り代わって発信しているようにも受け取れ、誤解を生じかねない」と苦言を呈した。

 給付金を巡っては、広島県の湯崎英彦知事が県職員の受給分を県のコロナ対策費に充てる考えを表明。抗議が相次ぎ、事実上の撤回に追い込まれた。

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